シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ウェールズの山

2006-03-07 | シネマ あ行
1995年の作品。ヒューグラントが出演しています。

1917年、ウェールズの小さな村にイングランド人が地図を作るために測定にやってきた。ウェールズ人にとって誇りである山、“フュノンガルウ”を測定したところ、国が定める“山”の規定に6メートル足りず、“丘”であると認定されそうになったから、さぁ、大変。おらが村の誇り高きフュノンガルウを勝手にイングランド人が“丘”とか言いやがって!それなら、あと6メートル足してやろうじゃねーの。と、村人たちが立ち上がってフュノンガルウのてっぺんに土を盛り始めた…

えっそんなことで「丘」が「山」になんの?土盛ってるってバレバレやねんで。そんなんでホンマに「山」って認定されんの???
でもこれ、驚いたことに実話らしいんですよ。まぁ、1917年のことですからねぇ、そんなことも許されたのかな?いやー、面白いっすねぇー。

ヒューグラントが持ち前のすっとぼけた演技ですっかりウェールズ人のペースにはまっちゃうイングランド人を演じていて、ウェールズの村人も個性ゆたかで楽しいです。ここに出てくる人たちを見ているとなんだか、もう、野暮なことは言いっこなしよ~とちびまるこちゃんのような口調で言いたくなっちゃいます。

原題が「丘を登ったけど、山を降りてきた男」となっているように、めでたく“フュノンガルウ”は“山”と認定されるのですが、最後に現代の“フュノンガルウ”を測定したらまたちょっと低くなっていて、さらに土を盛ったというエピソードが語られ、ますます愛おしい気持ちになるのでした。

オマケこの作品を楽しむためにはイギリスという国の成り立ちを少しだけ知っておく必要があります。イギリスはイングランドとウェールズ、スコットランド、アイルランドに分かれていて、ウェールズ、スコットランド、アイルランドはイングランドに併合されてイギリスの一部になっているだけで、彼らはそれぞれのアイデンティティを持っていて、イギリス人というよりもウェールズ人、スコットランド人、アイルランド人という意識を持っています。この作品に登場するウェールズ人にしてみれば、おいらの国を併合したイングランド人が勝手に踏み込んできて、おいらたちの山を勝手に丘と言いやがったという感覚があります。彼らがこういう感覚を持っていると知らないでこの作品を見ると「なんで同じイギリス人同士対立してんの?」って思っちゃうと思いますが、さくっと(かなり大雑把に)説明するとそういうことです。
※かなり乱暴な説明ですが許してね。


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2 コメント

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楽しみです。 (NONM)
2006-03-07 11:55:53
この作品はすごい気になっていたのですが、なかなか観ることができずにいました。大・大・大好きなヒュー様が出ているのに、cokyさんのご紹介でますます観るのが楽しみになりました。ありがとございます。
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NONMさんへ (coky)
2006-03-08 10:13:50
こんにちは。ヒュー様がお好きなんですね。では、ぜひご覧になってください。ヘンテコな髪型でいい感じですヨ。
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