特殊清掃「戦う男たち」

自殺・孤独死・事故死・殺人・焼死・溺死・ 飛び込み・・・遺体処置から特殊清掃・撤去・遺品処理・整理まで施行する男たち

夢のあと

2024-07-26 04:56:59 | エンゼルメイク
自分が死んだら、柩の中に何を入れて欲しいだろうか。
若い頃は、結構真剣に考えて耳かき棒と酒をリクエストしていたが、今はどうでもよくなっている。
浮世の金品も、アノ世には関わりのない物と思うから。

どんなに高価な物でも、灰になってしまえば同じこと。
どんなに偉い人でも灰になってしまえば同じこと。

人は何も持たずに生まれてくる。
そして、何も持てないまま死んでいく。
現金も、株券も、豪邸も、高級車も、ブランド品も(私の場合はコノ世でも持ってない物ばかりだけど)。

私を含めて、どうして人はこうまで物を欲しがるのだろうか。
生活がある程度便利で快適であれば、それでいいような気もするのに。
命は有限なのに欲は無限と言うことか・・・何となくバランスが悪いような気がする。

では、目に見えないものはどうなのだろうか。
例えば、愛・名誉・徳・善行など。
全ては有限?中には無限のものもある?永遠ってある?
ま、その類の話は、どっかの宗教にでも任せとけばいいか。

遺族が柩の中に入れる物で多いのは、まずは衣類。
お金や写真、手紙も多い方。
それぞれの品に、それぞれの人の、それぞれの想いがある。
それは、「故人の為」と言うより「遺族本人の為」と言った方が適切だと思う。
柩に物を入れることで、わずかでも癒されるなら故人にとっても「ありがた迷惑」にはならないだろうし。

最近は火葬場の都合で副葬品が制限されることが少なくない。
環境問題なのか火葬炉の問題なのか、または火夫の都合なのかは分からないけど。

火葬炉では強力バーナーで一気に焼かれるらしい。
燃焼より冷却の方に長い時間を要することも聞いたことがある。

どちらにしろ、人間の身体も物と同じであっけなく灰になる。
残された人の心に留まれるのも、せいぜい孫の代くらいまでか。

時が経てば、全てが夢のあと。
嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、苦しいことも、笑ったことも、泣いたことも・・・だったら、無理矢理にでも笑ってみるか!
ハハハ・・・やっぱ心が伴ってないとダメだね。
じゃ、どうやったら心から笑える?

実は、笑うことも泣くことも自分の支配下にないことに気づかされる。
現実に笑うのも泣くのも自分なのに。

やはり、生き・生かされていることって、かなり不思議なことだと思う。
まるで、夢のようだ。

トラックバック 2006/08/17 08:47:39投稿分より

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-08-02 13:38:54
いつもおつかれさまです、今とくにこんな半端ない暑さだから熱中症に、気をつけてくださいね、あとひとつ質問したいのですが、もしものときを考えて安否確認とか兄妹達ととってますが。この、暑さの、なか人って亡くなったとしたら1日ですでに、腐乱するのでしょうか?安否確認ま、間に合わないなら困るのでの質問です。
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