プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★「美しい国づくり」は国民の手で

2007-01-17 10:02:01 | 日記・エッセイ・コラム

 安倍首相が目指す「美しい国ニッポン」像は、どこか一般国民の感情とかけ離れている気がしてならない。今夏の参院選を制し、安定政権を樹立しないと実現出来ないとの思いから妥協を重ねているのかも知れないが、力強いメッセージが感じられない。

 先日、テレビで「常磐ハワイアン・センター」の誕生秘話を特集していた。1966年にオープンし40年経ち、今年入場者数5,000万人を突破したという。常磐といえば、かつての炭鉱の町。エネルギーを石炭に頼っていた時代に国策として栄えた点では、夕張と同じだ。

 30数年前、東京勤務時代に新聞やテレビで「常磐ハワイアン・センター」の宣伝を見るたびに「どうして東北にハワイなの?」か理解できなかった。40年前といえば、日本とホノルル間の航空運賃は22万円もした。当時の学卒の初任給は3万円前後だからハワイ旅行は夢のまた夢だった。地元の人間だけでフラダンスやポリネシアン・ショーを演じると言う企画。しかも、雪が多く寒い土地柄にはハワイは似つかわしくない。この常識を超えたユニークな発想と英断が、消え行く炭鉱の町を支えたのだから見事だ。

 また、北海道ニセコスキー場には、オーストラリアから8000人近くのスキー客がやって来る。パウダー・スノーと温泉が大人気。一部の富裕層中心だが、彼らはヨーロッパへ行くよりも日本を選んだ。地元石川県の和倉温泉でも、「自然と食と温泉」を一体化した誘客運動が功を奏し、台湾からの観光客が年々増加している。

 これらは、いずれも地域の強みを活用したものだ。一時乱立気味だったテーマパークはいずれも赤字だ。異国の文化を持ち込んで成功した例は、常磐と東京ディズニーランド以外には無い。それぞれの地方のユニークさをベースに、いかに付加価値を高めるかが大切だ。イメージ先行の政府に頼らず、地域独自のアイディアを練り上げる不断の努力が「美しい国」を創る礎になると確信する。


★近代化と郷愁

2007-01-16 09:57:53 | 日記・エッセイ・コラム

 東京に住む友人から届いたメールに「金沢の近江町の活気が好きだったが、再開発の動きがあると知りどう変わるのか。これも世の移ろいか」との趣旨のことが書かれていた。

 観光客も買い物に立ち寄る金沢市民の台所として、歴史を刻んできたが、建物の老朽化や衛生面の設備等、近代化の波に抗しきれなくなったのが整備事業の理由と聞いた。私の生家は、この近江町から徒歩3分程の至近距離にあり、中学校へ通う時の通学路だっただけに、子供の頃の記憶が蘇った。

 町内には、近江町で店を開いている人達の自宅が集中していた。同級生に花屋、魚屋、果物屋さんなどの子供が大勢いて、店を継いだ子も今は代をゆずり、顔を見かけることはなくなった。数軒隣の肉屋さんの自宅の庭にニワトリが放し飼いにされているのを見て、「お店に出すに違いない」と思いこみ、鳥肉が嫌いになったことを今も憶えている。親から「肉ではなく卵を店頭に並べる」のだと説明されても、子供心には納得出来なかった。

 その近江町も近代的なビルが建ってその中におさまるのが、2年後の平成21年予定。周辺の老朽ビルの再開発も進行中だ。また、金沢駅周辺は、新幹線開業を睨んで県外から大手資本が続々参入し、ホテルやショッピングセンター構想が加速している。地元経済界や自治体では、兼六園を世界遺産にしたいと意気込んでいるが、10年後の金沢は、多分、全国どこにでもある地方中都市の典型的な町になると寂しい思いに駆られている。


★地域コミュニティの力

2007-01-15 10:26:16 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日14日、近くの神社で「左義長」の裏方を務めた。生まれて初めての経験で、考えることが多かった。

 正月のしめ飾りや書初めを燃やすだけの行事でも、飾り物のだいだいや針金、プラスティック等の不燃物を外し段ボール箱に入れる分別作業が伴う。事前に、不燃物をはずすように周知してあっても、お構いなしだ。世話役の皆さんは私と違って、大らかなのか不平も言わずにせっせと手を動かす。

 書道教室の先生が、塾の生徒達を連れてやってきた。大量の書初めを空高く舞うように燃やせとの注文だ。子供の頃、字がうまくなるようにとの願いを込めて、書初めを燃やしたのを思い出した。神社近隣の民家に煙や書初めの燃えカスが飛散しないようにしながら、華やいだ雰囲気に水を差さないように気を配る。子供達のささやかな夢でも、はた迷惑になる現実に複雑な思いだった。

 婦人部の皆さんは、テントを張って「めった汁」のお振る舞い役。寒い日には、体を内側から温めてくれるだけに、火の周りよりも行列が出来るほど好評だった。日頃、何気なく見てきた地域行事の数々だが、それを支える人々の苦労は測り知れず、住民パワーの威力をあらためて思い知った1日だった。


★政治家の金銭感覚

2007-01-12 10:17:10 | 日記・エッセイ・コラム

 昔から政治家・官僚と金にまつわるスキャンダルは絶えることがないが、透明化が求めらる社会環境に呼応して、ルール化してもなお、懲りない面々がいるのは不思議だ。

 年末に佐田行革担当大臣が政治資金の経理疑惑で辞任したと思ったら、年明け早々に、出るわ出るわ!伊吹文科相、松岡農水相の政治団体が、家賃無料の議員会館を事務所としながら年間数千万円を事務所費として計上していた。ご両名が「法的になんらやましい点はない」と強弁した矢先に、尾身・菅・渡辺の主要閣僚や自民党・民主党の政調会長等々、金額の多寡はあるが同様の処理をしていたことが明らかになった。

 政治資金規正法がザル法との批判を浴びながらも、税金から年間300億円もの政党交付金を投入して政治活動を支援して来た趣旨をどう心得ているのだろうか。そうでなくても、議員報酬のほかに、文書交通費や通信費、立法事務費・調査活動費・公設秘書給与費等々、付加給与的な特典が数多い。JRや飛行機代の議員特権だけでなく、安い議員宿舎代などを含めると、政治活動に必要なお金は一体どれ位なのかとの素朴な疑問がわいてくる。

 安倍首相が行財政改革を進めるつもりがあるならば、この機会に徹底的に情報公開してもらいたい。そうでないなら、政治家や官僚の金銭感覚は、一般国民とは異なった次元にあるとしか思えない。


★書初めア・ラ・カルト

2007-01-11 10:21:00 | 日記・エッセイ・コラム

 この時期、いたる所で書初め展が開かれているが、それぞれに特徴があるので興味深い。字の巧拙を評する趣味はないが、文言には書いた人の思いが込められているので、つい立ち止まって見入ってしまう。

 私が通うフィットネス・クラブでも「新春書初め展」を開催中だ。ジムに通う人の書初めだけに、「健康第一」とか「家内安全」といった健康志向の作品が目立つが、それ程、ユニークではない。読み進めるうちに、楽しい作品に出会った。

 「筋我信念」は、もちろん「謹賀新年」の当て字だが、マッチョを目指す若者の決意の程が伝わってきて秀逸だ。「我れ一筋に筋肉マン」との信念でトレーニングに励むのだろう。次に、「貯金より貯筋」。これもお金を貯めるよりも筋肉をつけたいともじった作だが、「お金よりも健康第一」との思いがひしひしと伝わり、病院通いから抜け出せない私には、余計身につまされる。

 ほかにも、「猪突猛進」とか「マラソン一直線」等、干支にちなんで目的に向かってまっすぐに進む決意表明が多々見られた。私の場合、「とし相応に」とするか「挑戦」とするか迷うところだが、”時悠人”らしく、「心のおもむくまま」がもっとも相応しいかと思っている。