ヴェスヴィオ火山のふもとに広がるナポリ湾とアマルフィ海岸を抱いたサレルノ湾。この二つの湾がソレント半島の先端で交わる所にカプリ島がある。
太陽と緑の島との形容通りの島で、ソラーロ山からの眺望は見事だし、サンミケーレ教会やアウグスト庭園等、滞在者には見所も多い。また、19世紀に発見された青の洞窟を一目見ようと大勢の観光客が押しかけている。
だが、青の洞窟見物は気象条件次第なので、ナポリやソレントから訪れる場合は面倒だ。数人乗りの小船に乗り換えないと洞窟内へは入れない。洞窟の開口部が海面から数十センチしかなく、小さな波が来ても入り口が隠れてしまうからだ。小船の床に仰向けに寝、船べりから頭を出さないようにして入り口をくぐることになる。
したがって、大船から小船に乗り移る順番待ちのために、洞窟近辺で1時間近く波間に漂うことになる。また、波の気まぐれで洞窟内に入れずひき帰さないといけない場合だって珍しくないようだ。私達は、カプリ島に二連泊したので、船着場から直接、小船に乗り洞窟観光が出来たが、遠方から乗りつけた船が、先を争うように必死に操船する姿が気の毒だった。