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時悠人chosan流処世術

★話芸の真髄に酔う

2006-04-28 08:29:04 | 日記・エッセイ・コラム

 桂歌丸、三遊亭楽太郎といえば、テレビ人気番組の”笑点”。笑点といえば、歌丸・楽太郎の掛け合いに象徴される程、人気の二枚看板だ。

 4月26日夜、金沢市内で開催された寄席に、この両師匠が顔を揃えた。地方ではめったにお目にかかることが出来ない機会だけに、入場券はあっという間に売り切れの大盛況。私が入手出来たのは、二階席の最後方席で、細かい表情の動きは追えなかったが見事な話芸に酔いしびれた。

 歌丸さんは、左甚五郎の「竹の水仙」を、楽太郎さんは、「禁酒番屋」で、それぞれの持ち味をたっぷり披露。また、高座の幕間でのお二人の対談では、テレビでみられない表情を垣間見たのが印象深かった。笑点ファンならご存知のように、腹黒だとか、髪の毛の薄さ、或いは、タブーの死を話題にしてブラックユーモア仕立ての笑いを誘うが、暗くなく軽妙・洒脱で話芸の面白さを見せ付ける。

 ところが、二人っきりの対談では、いつもの絶妙の間がとれない。互いに遠慮めいたぎこちなさの中で話が進んだ。笑点の裏話や外国公演の苦労話、或いは、古典落語の独演会など、話題自体は面白いのだが、お互いの呼吸とか間の取り方が独演、或いは大喜利でみせる呼吸ではなかった。これほどの名人クラスになっても、対話の流れを一本化するのは難しいのかと、話芸の真髄を違った意味で覗いた気がした。