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時悠人chosan流処世術

★間違った少子化対策

2006-04-29 09:08:02 | 日記・エッセイ・コラム

 内閣府が27日、「少子化社会に関する国際意識調査」結果を発表した。日本では53.1%が「今より子供は増やさない」と回答したが、その理由のトップは、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」。

 政府・与党は、児童手当の支給対象の拡大や、所得税の優遇策を検討中だし、民主党も「子ども手当法案」を国会に提出した。一方、公明党は「育児保険制度」の創設を柱とする少子化対策を6月の骨太の方針に盛り込むと意気込んでいる。いずれも、経済的な支援を柱にしており、内閣府のアンケート調査結果と符合するような印象を受ける。

 だが、私の実感はいささか違う。 昨夜、近所のレストランに行くと、店内に幼児連れの女性客グループが何組も居て驚いた。大人のムードが漂う雰囲気の良い店なので、ゆっくりワインを楽しむために時々、訪れていたのだが、ファミレス並みの混雑店に変身していた。また、2月に沖縄のリゾートホテルに滞在した際にも同様の経験をした。ホテル内の宮廷料理を出すレストランに、味も分からぬ子供連れのカップルを大勢見かけた。先月末、南イタリアへ出掛けた時にも、子供連れのグループが。「皆さん、贅沢な生活をしているのだなぁ」というのが率直な感想だ。

 これらの事実は、経済的理由に絞った対策では効果が薄いことを裏付けている気がしてならない。一方では、全国で小児科の医師が確保出来なくて、小児科を閉鎖する病院が続出しているとのニュースが伝わってくる。産婦人科の医師を希望する学生も減少していると聞く。

 かつて、「子は宝」「貧乏人の子沢山」と言ったが、この言葉は今の日本では死語になってしまったのだろうか。少子高齢化時代における女性の労働力確保とかの次元以前に、「最少の社会構成単位」としての両性をつなぐ人間家族・家庭のあり方を模索する努力を文部科学省はすべきだ。お金の問題が本質論であろう筈がないと思う。