三羽省吾はお気に入りの作家。久々の文庫本。2006年に単行本として発行のもの。大水害にあった蜷谷村の村民は栄山市の避難所で暮らす。蜷谷高校の野球部の面々は練習場もなく、もてあまし気味の日々。190センチ級のエースのコータ、太り気味のキャチャーのモウ。栄山市の私立K高校は甲子園に出場、春の選抜の二回戦で敗退。僅差の敗戦だったが、監督の結城、エースの狭間、キャッチャーの矢中は実力の壁を感じていた。元野球名門校を新しい指導で復活させた結城は、蜷谷高校に練習場を提供することに。野球を舞台とした正しい青春ドラマであり、背後には大災害とそこに生きる人々を描く。キャラクターがいいのだ。それとありきたりの野球ドラマにならないところがいい。それでいて、少々臭いのもいい。何とも爽快な(考えさせられる部分はあるが)気分にさせてくれる。こいつらの将来が見たいってか。☆☆☆☆ほ。
東日本大震災があって注目も。
東日本大震災があって注目も。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます