カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『カスに向かって撃て!』ジャネット・イヴァノヴィッチ 集英社文庫

2008-06-25 23:49:05 | 洋物
『カスに向かって撃て!』ジャネット・イヴァノヴィッチ 集英社文庫
 あのステファニー・プラムが帰ってきた。というか、引っ越した。扶桑社ミステリーにあったシリーズが翻訳の細美遥子さんごと集英社文庫に。シリーズ10作目。"TEN BIG ONES" の登場。
 ステフは幼馴染のモレリと同棲中。でもちょっと落ち着かない。ちょっとしたいさかいから何とレンジャーの秘密アジトに転がり込んだ。今回はギャング団に狙われ、殺し屋がステフを標的に。例によってルーラが活躍、珍しく事務所のコニーの登場も多い。メイザおばあちゃんは要所で姿を現わし、母は隠しウィスキーで正気を保つ。ヴァレリーの結婚をからめながら、父はちょっと出番少ない。でもあのサリーがスクール・バスの運転手で登場。まあ例によって「んっまあ!」てことになる。例によって車は壊れ、やっぱり銃は撃てず、ドーナッツの食べすぎでついに太ってしまったり。安定感のあるお約束の面白さ満載。それでいて「ダイ・ハード」ばりのアクションも。☆☆☆☆☆です。


『Uボート113 最後の潜航』ジョン・マノック ヴィレッジブックス

2008-06-23 23:22:28 | 洋物
 Uボート113が大破してルイジアナのケイジャンの住む入り江に避難する。壊れた推進機を治すには沈没したUボートの部品を使うしかない。ケイジャン、Uボートの乗組員、ニューオリンズの船乗り。これらの人物によって織り成されるドラマ。Uボートの乗組員は戦争を戦う軍人として描かれ、言ってみれば悪役はいない。そこそこに読ませるし、人物もそこそこにいいし、おう、感もあるが、電車用小説としての出来のよさ。☆☆☆ほ。


『ギャングスター・レッスン』垣根涼介 徳間文庫

2008-06-20 19:17:34 | 和物
 『ヒート アイランド』の続編に当る。大金を得たが『雅』を解散したアキが主人公。一年間の放浪の後、柿沢・桃井との約束の地に帰ってくる。さらにそれぞれの背景が描かれながら、ヤクザの大金を奪い取る。前作に較べてアキがスケールダウン。まあ面白いがちょっとの感あり。☆☆☆ほ、かな。

『ヒート アイランド』垣根涼介 文春文庫

2008-06-09 01:00:35 | 和物
 渋谷でファイトパーティーを主宰する『雅』のアキとカオル。裏金強奪のプロ三人組柿沢、桃井、折田。非合法カジノからの大金強奪に成功し、引退を決めた折田はバーに立ち寄り、アキの仲間とのいざこざから分け前を奪われる。二組のヤクザ、アキたち、柿沢と桃井の間で大金を巡った行き詰る攻防へ。それぞれの背景を(全員ではないが)書き込みながらストーリーは進む。アクションの連続と大どんでん返し。結構面白かったので、☆☆☆☆。

『狂犬は眠らない』ジェイムズ・グレイディ ハヤカワ・ミステリ文庫

2008-06-01 23:07:53 | 洋物
 CIAの工作員、仕事のストレス、それぞれが強烈なストレスによって精神に障害を起こした5人。彼らが収容されている秘密の病院で精神科医が殺される。元工作員は結束して、その謎を解くために立ち上がる。話の中で、それぞれの病気に至る道が明かされながら、舞台はニューヨーク、ワシントンへ。『コンドルの六日間』がデビュー作というグレイディの腕は確かなもの。ユーモアを交えながら、軽快に進み、まさにページターナー。☆☆☆☆ほ。