カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『ストーン・ダンサー』上・下 マレー・スミス 文春文庫

2006-11-29 22:53:42 | 洋物
 『悪魔の参謀』に続くイギリスSISのデーヴィッド・ジャーディーンが主人公。相性の悪いSIS長官マクレイや、後ろで支えてくれるロニー・ソボドなどの面々、それにいきなり殺されて舞台からほおり出されてしまったエディ・ルーコウ刑事の弁護士の奥さんが登場する。モサドを頸になり、イスラエル人であることも拒否されてしまったダニー・ダヴィドフ、彼がキーパーソン。時代の大変革の中で失意のプロ集団による大犯罪が、さらに大きな大きな陰謀の中にいることに。それぞれの人物像が生きている。犯罪の展開もなかなかのもの。終盤に一気に走るところで、少々分かりにくさがあるが、シリーズ物として成長したという感があり、さて三作目を読もうかと思わせる。☆☆☆☆。


『ハマースミスのうじ虫』ウィリアム・モール 創元推理文庫

2006-11-23 21:23:09 | 洋物
 新聞の書評だったと思う。読んでみようと思った。思い出した幻の名作、新訳モノはどうもってことだ。1955年の作。キャソン・デューカーというワイン商、これが主人公。犯罪者コレクダーだと。舞台はイギリス。それにしても、嫌らしきイギリスがプンプン、あくまでも主観ですが。脅迫犯を追い詰めていくというのだけれど、いい趣味ではない。☆でお終い。


『4TEEN[フォーティーン]』石田衣良 新潮文庫

2006-11-13 23:50:03 | 和物
 中学三年生の月島に住む四人組。東京だけど、月島という都会のような都会でないような。四人も大金持ちもいれば、貧しい奴もいる。病気で長生きできない奴、いかにも普通の男の子。でも何だか、青春というか、青春前期というか、いいよな。マッキャモンの少年時代をちょっと思い出す。☆☆☆☆ほ。

『赤(ルージュ)・黒(ノワール)池袋ウエストゲートパーク外伝』石田衣良 文春文庫

2006-11-04 22:02:19 | 和物
 「池袋ウエストゲートパーク」の外伝ということで、今回はサルが活躍する。主人公は映像作家の小峰。カジノで巨額の借金を抱え、カジノの上がりを強奪し、成功したかに思えたところから暗転。サルとともに犯人を追う。マコトは出てこないが、キングも出てくるし、それぞれが活躍するのはなかなかいい。最後の方、少々難ありと思ったが。☆☆☆☆

『電子の星 池袋ウエストゲートパークⅣ』石田衣良 文芸春秋

2006-11-03 13:25:27 | 和物
 「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ四作目。「東口ラーメンライン」、「ワルツ・フォー・ベビー」、「黒いフードの夜」、「電子の音」の四作品。王様のボディ・ガードのツインタワー1号、2号がラーメン屋というのは笑った。アジノモトが入った方がおいしいんだというのもいいじゃんね。ワルツは久々に登場人物が味がある。こうでなくてはいけない。黒いフードは常識的な正義感でないのがこの世界であり、真島誠の世界なのかとあらためて。電子の星は、またまた大変な世界に行ってしまった。置いてかないでくれ、だよな。☆☆☆ほ