カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『警視庁神南署』今野 敏 ハルキ文庫

2010-11-27 21:39:38 | 和物
 安積警部補シリーズ。1997年の作。臨海署が閉鎖になり、渋谷区に新設の神南署に強行犯係は移籍。安積係長、村雨、須田両部長刑事、黒木、桜井の5人。大橋はこの時にはいない。これに交通機動隊の速水も神南署にいる。銀行員がオヤジ狩りにあう。告訴が取り下げられた後に少年達がぼこぼこに。そこに殺人事件。安積の同期の速水は「神南署の安積と胸を張れ」と言う。実力があり、正義を追いかけ、部下を守る。それでいて、部下のことが好きになれないことが表に出ないかと心配する。実に人間的な警察小説。一気に読む、それ以上でもそれ以下でもないが、☆☆☆☆である。

『どちらが彼女を殺した』東野圭吾 講談社文庫

2010-11-21 19:08:25 | 和物
 加賀恭一郎シリーズの三作目。東京で一人暮らしのOL生活、両親は無く独身の兄は故郷で警官をしている。彼女が死んだ。駆けつけた兄は、自殺が偽装されていることに気が付き、復讐に立ち上がる。親友と恋人。この二人が浮かび上がる。そこに加賀が登場。自殺という線に納得しない加賀は兄の意図も察して捜査を続ける。証言、証拠、次々と明らかにされながら、読者は兄とともに真相に近づくが、あっと驚く結末。「えっ何?」となること請け合い。ちなみにここでも加賀シリーズという意味は薄い。☆☆☆ほ。

『眠り姫』東野圭吾 講談社文庫

2010-11-08 23:39:42 | 和物
 加賀恭一郎シリーズの二作目。刑事となった加賀、バレエ団で起きた事件を追う。事務所に侵入した男をバレリーナが殺害、正当防衛かを巡って捜査が始まる。その中で、さらに新しい殺人が。バレリーナの一人美緒にひかれる加賀。加賀の恋心、そんなゆらぎの中で事件は展開していく。この手の推理小説が好みかどうかという点でいくと、あまり…。さらに加賀モノというほどのシリーズ性もなく(ちょっとだけ連続性はあるものの)。☆☆☆


『真夏の島に咲く花は』垣根涼介 講談社文庫

2010-11-07 13:45:42 | 和物
 舞台はフィジー最大の島ビチレヴ。日本レストランのヨシは両親と高校生の時に移住。アコはワーキングヴィザで旅行代理店で働く。ヨシの彼女、サティはインド系で土産物屋の跡継ぎ娘。アコの彼はガソリンスタンドで働くフィジー人のチョネ。ヨシ、サティ、チョネは高校の同級生。彼等を軸に、フィジーの人と暮らしが描かれていく。フィジー系とインド系の対立。そこに加わってきた中国系。クーデターが起こり、観光の島は不景気に。切ない恋、ロミオとジュリエットのようでもあり、楽園の中に、不思議な諦観も。どうなるのかよ、と読み勧めて、ちょっと切ない。☆☆☆。