カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『オールドタイムズ』本城雅人 講談社 LB

2021-10-28 21:48:19 | 番外
 本城雅人という人は新聞のことが気になって仕方がないのだろうなと思う読後感。主人公は不動優作。タブロイド紙『東亜タイムズ』(夕刊フジがモデルなんでしょうね)の記者で「不動のエース」の異名をとる。ウェブ勢力の伸長で新聞は窮地に、夕刊紙はさらに厳しい状況の中で早期退職を勧められる。根っからの記者不動はそれを断ろうとするが、同期の大八木(広告営業の実力者)から新たなネットニュース社の立ち上げに誘われる。
 オールドタイムズとなった会社には、東亜タイムズから大八木、不動、中島。週刊誌やテレビ制作会社(ニュース番組)などからあわせて7人で始まった。8つの短編、主たる人物を変えながら、オールドタイムズが動き出し、新たな流れを作る世界が描かれる。そこでは紙であろうと、ウェブであろうと、ジャーナリズムとはという部分も。登場人物には聞いたことのある人物も出てくるが、新聞のこと、本当に心配してるんだなって思えて。
 ということで、☆☆☆☆。です。

『敵意ある証人』上・下 ウィリアム・ラシュナー 扶桑社ミステリー

2021-10-23 16:31:45 | 洋物
主人公はユダヤ人の弁護士ヴィクター・カール。祖父の代にロシアから移民し、父は芝刈りを業とする。弁護士となったものの一流事務所には入れず、三人で始めた事務所も一人が顧客を連れて逃げてしまった。ある事件で一流事務所の弁護士相手に丁々発止の交渉で望外の和解案を勝ち取る。その上、とある裁判の弁護として組まないかと誘いを受ける。市会議員とそのスタッフが、強要、殺人の罪を問われ、スタッフの弁護をまかされる。そして他にも仕事をまわされるといったいい話が。法廷物ではあるけれd、ワスプでないユダヤ人の弁護士のナニクソ物語。マフィアやユダヤ人探偵などのキャラクターは面白い。☆☆☆ほ。