カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『カササギ殺人事件』上・下 アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫

2019-06-15 17:42:23 | 洋物
 巷では大評判の本作。実に不思議な構造です。上巻は名探偵アティカス・ピントの『カササギ殺人事件』、イギリスのバースに近い田舎町で起こった殺人事件。ちょっと前感の漂う雰囲気で謎解きが。一転下巻は、名探偵アティカス・ピントの作者アラン・コンウェイの事件が始まる。上巻を楽しみながら、それが唐突に下巻に突入し、それが最後に収束してみせる。大したものです。ひとつ残念なのは、英語圏の人ならば、もうひとつ深く楽しめたんだろうなということ。翻訳の山田蘭氏もご苦労されたことであろうけれど。☆☆☆☆。

『暗殺者の潜入』上・下 マーク・グリーニー ハヤカワ文庫

2019-06-12 22:36:15 | 洋物
 暗殺者グリーニー シリーズの第7作。冒頭は捕虜となったグレイマン。まさに処刑が…で始まった。シリアの独裁者アフメド・アッサム大統領、その妻シャキーラ。愛人のビアンカ。自由シリア亡命連合からの依頼を受けたグレイマン、どんどんその運動の中に入り込んでいく。パリで、そして内戦下のシリアへ舞台は動く。迫力のアクション、驚きの展開、ぐいぐい読ませてくれる。独特の規範の中で動くグレイマン。これからどこへ行く。常連も登場してますね、ちょっとだけ。☆☆☆☆

『去就 -隠蔽捜査6-』今野 敏 新潮文庫

2019-06-09 21:12:13 | 和物
 警察官僚でキャリアの竜崎伸也。息子の事件で大森署の署長に左遷されている。警視庁がストーカー対策を求める中でストーカー、誘拐事件が起こる。それに対応していく竜崎。絡んでくるのは新たな方面本部長、ノンキャリアの弓削。野間口がいいやつに思えてくるような絡み方。竜崎は相変わらずの「合理主義」。事件は意外な展開も、現場の面々から支持されながら竜崎流の展開に。横やりで異動の噂も竜崎に。相変わらず、戸高はいい味を出していて、そこに新たに女性警官も加わった。役者はそろっていく。☆☆☆☆