カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『嗤うエース』本城雅人 講談社文庫

2018-09-29 16:03:23 | 番外
 スポーツ主題が得意の本城雅人、野球の長編。球界のスター浪岡龍一、孤高のサウスポーの影にあるものは。野球賭博は関西の風土の中に根付いていた。それをテーマとした長編。小学生、高校生、そしてプロ。浪岡、かつて同じ高校で後に新聞記者となった四之宮、さらに刑事の半澤。人生が交錯し、そこに生まれる物語。人生の物語であるし、関西という風土が見えてくる物語でもあるし。☆☆☆☆。

『スカウト・バトル』本城雅人 講談社文庫

2018-09-26 21:18:47 | 番外
 本城雅人のミクロコスモス・ギャラクシー、スカウト物の第二作。ドラフト1巡目から4巡目、それにドラフト外という5章構成。ミクロコスモス・ギャラクシーのスカウトが、時を越えて登場する。章の語り手に堂神がくることは例によってない。久米は順調に育っている。G(巨人)の大物スカウト大内がしばしば登場。ドラフトに一喜一憂した者には面白さも格別。前作も含めて話が絡み合っていき、奥行きが深まっていきますね。今回も☆☆☆☆。続編が読みたいね。

『スカウト・デイズ』本城雅人 講談社文庫

2018-09-23 11:54:08 | 番外
 産経新聞、サンスポの記者から作家となった本城雅人の野球物。プロ野球のスカウトの世界が舞台。冒頭はどこが野球?スカウト?の始まり、そこからFirst Round 1年目からFourth Round 4年目まで四章立て。パリーグに所属するミクロコスモス・ギャラクシー。資金力は豊富ではなく、スカウトの陣容も厚く無い。そのスカウト部のチーフスカウトが球界でも伝説のスカウト、堂神恭介である。ギャラクシーの新人スカウト久米純哉、高校生投手江尻勇豪、新聞記者島岡と視点を変えながら、されど堂神の視点だけはなく、久米純哉の成長とともに物語は進む。それぞれのキャラクターが、次第に次第に見えてくる。それらが絡み合い、次第次第に明らかになっていくところが面白い。続編もあり。楽しみ。☆☆☆☆。

『ミッドナイト・ジャーナル』本城雅人 講談社文庫

2018-09-15 21:08:41 | 番外
 「ジャーナルかいなか」それを最も大事にする新聞記者関口豪太郎。中央新聞。全国紙ではあるが、弱小の新聞社。地方支局を回りながら、さいたま支局の県警キャップを務める。七年前、誤報を打って、地方回りを強いられている。強烈なキャラクターの記者、「ジャーナルか」がとにかく大事。同じ誤報事件に関わった藤瀬という女性記者。社会部から整理部へと移り、ペンを捨てた松本、そして冷や飯の後、社会部長となっていた外山。これに多くの記者たちがからみ、刑事たちがからみ、なかなか面白い。人間が面白い。☆☆☆☆。テレビドラマになるんだ。面白いかも。

『贅沢のススメ』本城雅人 講談社文庫

2018-09-13 22:18:38 | 番外
 ラグジアリーファンドの藤波亮介は債権を買い取って乗り込んでいく。そこに部下の古武士哲也を働かせ、内情にあわせて会社の処遇を決める。テレビでも有名なオーナーシェフの経営するイタリアンレストラン。ママンの高級ワイシャツ仕立て屋。高級アンティーク時計店、二人組の家具屋、ワイナリー、そしてホテル。それぞれの会社、そこにある歴史、あるいは大事にする所。「贅沢」ということがキーワードとなって物語が進む。本城作品としてはちょい甘か。☆☆☆ほ。


『誉れ高き勇敢なブルーよ』本城雅人 講談社文庫

2018-09-11 17:40:10 | 和物
主人公の望月充、J3のGMを務める。Jリーグ以前、高卒でバルサに。レギュラーをつかめず、イタリア、ベルギー、ベルギーの二部に。代表入りを拒んだとして、裏切り者のレッテルを貼られる。そんな望月に日本代表監督の選定と契約が任される。以前、同じ仕事を達成間近でマスコミの報道で潰されたのに。望月の仕事が面白い。サッカー好きには、ああ、ふーん、と楽しめて、そしてミステリイでもある。本城雅人、いいかも。☆☆☆☆


『恩讐の鎮魂曲(レクリエム)』中山七里 講談社文庫

2018-09-02 19:26:56 | 和物
 御子柴弁護士シリーズの第3作。前作でその過去が明らかになってしまい、顧客が減ってしまった御子柴。彼の恩人、少年院の刑務官で指導教官であった稲見が殺人を犯したことを知る。彼の人生を変えさせた男を護るために、御子柴らしい手段を選ばずに国選弁護人となる。被告人が殺意の上と自白、証拠、目撃証言と揃っている。御子柴は助けることができるのか。人とは、法とは、といった中で、御子柴が見つけ出し、紬あげていく。しかし、そうは問屋が…。人間というもの、それがここで大きく関わってくる。話の奥行きがどんどん深まる。実に面白い、このシリーズは。お勧めは三作を連続で読むこと。そうすると、面白さが深まります。今回、もう一度前二作を読み直しました。☆☆☆☆ほ。