カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『ニート・ニート・ニート』三羽省吾 角川書店

2013-07-09 22:45:42 | 和物
 三人のニートが旅に出た。一人のニートは、レンチ。暴れん坊。もう一人はタカシ。断りきれない性格でニートになりたて。三人目はキノブー。元肥満児気味、京大中退の引きこもり。レンチの強引な誘いで三人は北海道へ。途中、不思議な少女月子を加え、北海道中をあちらへこちらへ。不思議なロードムービーなのだが。BGMはキノブーのiPodのシャッフルされた曲。これがなかなか。いつもの三羽よりもそれぞれの世界がなかなか見えてこないのでありますが、それでも意外な展開もあり、三羽ワールド。☆☆☆☆。

『目撃』上・下 デイヴィッド・バルダッチ 徳間文庫

2013-07-07 21:15:01 | 洋物
 再読シリーズ。テレビで映画版がやっていた。クリント・イーストウッド主演。1996年『黙殺』の名で刊行、1997年文庫化で改題。前科三犯の窃盗犯ルーサー、成長する泥棒で今は凄腕。もっぱら金持ちを狙う。ヴァージニア州の大豪邸に忍び込む。そこには秘密の金庫室があった。留守の筈が突然、家人が帰って来る。大富豪の若き妻と大統領。マジックミラー付きの金庫室から二人を見るルーサー。そこから事件は急展開。シークレットサービスが若妻を射殺、犯行の重要な手がかりを持ってルーサーは逃走する。意表をつく展開、ルーサーには父を軽蔑し敏腕検事となった娘、その元の恋人でかつてはやはり腕利きの公選弁護人で今は大手法律事務所につとめるジャックらが登場する。大統領の犯罪はどうなるか。あっと驚く筋立ての見事さに感服。☆☆☆☆☆。


『特捜部Q -カルテ番号64-』ユッシ・エーズラ・オールスン

2013-07-06 19:01:01 | 洋物
 特捜部Qシリーズ第4作。デンマーク、コペンハーゲン警察本部の地下に過去の未解決犯罪を専門とする特捜部Q。といっても人員はカール・マーク警部補。謎のシリア人助手アサドとこれまた不思議な女性ローセの三人。今回は1985年、2010年、そして1987年と時代を飛びながら物語は展開する。2010年、政党「明確なる一線」は議席を得ようとしている。その主張はかつてのナチの主張に近い。そして問題の根は1920年代から既に存在していたという。優秀なる血を残し、それ以外は切り捨てよ、なんとも重いテーマである。行方不明者が同じ時期に集中し、そこにつながりを見つけた特捜部Q。その一方で、一人の女性を中心に過去の物語が紡がれていく。あっと驚く展開に◎。アサドの不思議さは相変らず。まだその謎は解けていない。☆☆☆☆☆。