カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『冷笑』リンダ・フェアスタイン ハヤカワ文庫

2010-04-26 22:18:41 | 洋物
 女性で性犯罪訴追課長で検事補アレックス・クーパー物の第三作。クーパーと友人のチャップマン、マーサーという二人の刑事。彼らが今回巻き込まれたのは、女性の強姦殺人から名画盗難事件へと発展する事件。この小説、解説にもあったが、ニューヨークのグルメスポット紹介のような所もあってちょっと面白い。ただ、今回の事件、だんだん謎解き部分が切れが無くなっているような。ということで、ちょっと読むのに時間がかかった。連続物としての出来は少々落ちて、☆☆☆はおまけ気味。


『絶叫』リンダ・フェアスタイン ハヤカワ文庫

2010-04-22 21:31:18 | 洋物
 女性で性犯罪訴追課長で検事補アレックス・クーパー物の第二作。今回は、ニューヨークの大メディカル・センターで脳神経外科の女性教授が殺された。強姦の疑いありということで、アレックスの出番。マイク、マーサーらと捜査に当る。それにしても、ニューヨークの大病院には本当にホームレスが住み着いていたりするのかね。今回の捜査では何故かイギリスに飛び、そこでちょっとハイソな世界に入ったり。ただし、全体に切れ味がにぶいなぁ。伏線が生きないなぁ。この作品のミステリーとしての出来栄えは、☆☆☆。もう少しキャラが効いてくるといいなと思い、次作を読もうかと。

『誤殺』リンダ・フェアスタイン ハヤカワ文庫

2010-04-18 11:32:35 | 洋物
 当時現役のマンハッタン検察庁性犯罪訴追課長であったという著者の処女作。主人公は著者と同じ女性で性犯罪訴追課長で検事補アレックス・クーパー。相棒というべきニューヨーク市警の刑事マイク・チャップマン。この二人のやりとりがいい味を出す。同じく市警刑事マーサー・ウォーレスなど登場人物の描き方も最初の作品とは思えない出来上がり。アレックスは働かないでもいいくらいのお金持ちといった設定であるが、それはそれで、誰かが書いてたが、ニューヨークのいいお店ガイドの役割も果たすとか。恋人のジェド、友人の友人の女優、友人達もシリーズ化したら活躍が期待されそう。ミステリーの出来も、やられたなって感じで、鉱脈発見。☆☆☆☆。あまり好きでない一人称タイプだが、OKである。

『フォーテイ 40 翼ふたたび』石田衣良 講談社文庫

2010-04-14 23:17:59 | 和物
 「著者が初めて同世代を描いた感動長編」とある。確かに同世代であるが、著者45歳の作品である。一流広告代理店を辞め、独立した先輩の会社へ。そこも辞めて、フリーランサー・プロデューサー業を始めたものの…、という吉松喜一が主人公。銀座のビルの一室、コピーライターとデザイナーとで借りた事務室で、40歳にして独立した主人公がもがいている。そこから、いくつかの出会いがあり、夫婦のこと、会社のこと、40歳という最近では「人生の折り返し点」を越したところでの葛藤が描かれる。40歳にしては若いじゃないかというのは、それを過ぎてしまっているものの見方だろうか。「感動的」で、いい話で、読みやすく一気に終わった。☆☆☆かなと。