「パルプ・ノワール2001』というからこれも再読本。『アンダー・ドッグス』というのもありましたね。この本、キャラクターがいい。個性的な登場人物が読んでいくと映像化されていく。クマのプーさんを下敷きにしているってところは、英語圏の人にしかわからないだろうけれど、充分に面白い。筋も伏線が効いているのですよ。典型的な人物像のようでいて、それを微妙に外し、予想を裏切るというか、外しながら外しながら引っ張っていくところ、お得な一冊。
ミステリーというのとは少し違うけれど、帯にあったクリスティン・ハナの「スタイリッシュなメージターナー」というの、当たっていそう。プロットがうまいなと思わせる。デヴィット・コッパーフィールド流のキャラクター設定が読むのにいいよなと。”メイド”がどんどんいい女になっていくのもよしか。もともと脚本を書いていたという人だけに映像になるね。ちょっとリプレイを思い出した。
本屋で懐かしい本が平積みになっていた。『眠れる犬』。初刷が1988年というから、17年ぶりかぁ。出た時に読んで、それから数回読んだと思う。その後行方不明。ロクティの中で一番面白いという記憶がある。どこがいいのかというと、「二冊の本を一冊にした」ってのが秀逸。そしてキャラクターが實にいいな。ストーリーに若干飛びがあるように思うけれど、いいではないですか。読んでいて楽しい。続編『笑う犬』も読みたくなった。家で探したらこれも行方不明。扶桑社さんにそっちもまた出してもらうしかないな。