カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『ファニーマネー』ジェイムズ・スウェイン 文春文庫

2006-02-25 23:15:22 | 洋物
 カジノのいかさまハンター、トニー・ヴァレンタインのシリーズ第二作。第一作は『カジノを罠にかけろ』、これ読んだことあったのを途中で思い出した。アトランティック・シティ警察の元警官にして、いかさま防止コンサルタントの主人公。最愛の妻に先立たれ、不肖の息子が一人。警官時代のパートナーの突然の死から事件に巻き込まれ…。登場人物、それぞれにキャラが立っていて、面白い。脇道と伏線がいろいろ出入りがあって面白い。いかさまの手口は少々高度だけれどそれも面白い。映像的な感じもするし、総合的に楽しませてくれる本。忘れた頃にまた読めるね。☆☆☆☆。次作に期待。それと第一作を探してもう一度読んでみようっと。

『無頼の掟』ジェイムズ・カルロス・ブレイク 文春文庫

2006-02-23 18:56:06 | 洋物
 『このミス』で評価の高かった作品です。「荒野の激闘」シリーズということです。西部を舞台とした、丁度『俺達には明日はない』の頃なのかな、無頼の小説ということで。キャラクターはとてもいいですね。主人公とその双子の叔父さんたち。味があります。叔父さんのひとりラッセルの彼女が良く書けているけれど、主人公の彼女はあまり面白くないかな。ノワール小説というので、これは好き好きになりまして、☆☆☆ほくらいかな、僕としては。

『レッド・ダイヤモンド・チェイス』チャールズ・ベノー ハヤカワ文庫

2006-02-20 00:08:56 | 洋物
 面白いですね。この人、新人だそうです。舞台は1948年、それがどんと21世紀にとぶ。殺された男の甥が主人公になるのだが、このキャラがいいですね。いい加減なところがとても、それでいていい味があって。伏線が後で生きてくる。横道にそれ、その横道が妙にしっかりと描かれていて。本筋じゃないんだろうなと思いながらそこでも笑ってしまう。サービス精神が旺盛なんでしょうね。好もしいです。馬鹿馬鹿しさも適度にあって。☆☆☆☆ホ。としましょう。次作が楽しみ。

『隣のマフィア』トニーノ・ブナキスタ 文春文庫

2006-02-12 21:28:34 | 洋物
 これは実に面白い。大好きなタイプです。主人公は組織を裏切ったマフィア。それも大ボスの下クラスのボス。これが実にいいキャラクター。そして妻、娘、息子。FBIとそれぞれがいいのだ。そして作中で小説によって語りがあったりと。実に奇想天外で、はちゃめちゃもあり、面白い。作者はパリ生れイタリア系の移民だそうで、映画の脚本家ということだが、映画にしたい。何でも作者は小さい頃、本はほとんどなくテレビで育ったので、常に映像的なのだそうな。推薦です。☆☆☆☆☆。楽しいからいいじゃん、てか。

『弱気な死人』ドナルド・E・ウェストレイク ヴィレッジ・ブックス

2006-02-09 22:25:50 | 洋物
 ドナルド・E・ウェストレイクという人は悪党パーカー、ドートマンダーなどを書き、ペンネームもいろいろという人らしい。アメリカで食い詰めた二人が愛妻の故郷の中米の島国に飛び、死人が出来あがるという話。登場人物が軽めで、それでいて次から次で面白いけど、出た人が知らない内にフェードアウト。あれは一体なんだったというご都合主義も結構多いかな。閑だったら読むかということで、☆☆☆。将来また閑だったら、かなり閑だったらもう一度読み飛ばすのも可。

『リプレイ』ケン・グリムウッド 新潮文庫

2006-02-05 13:14:31 | 洋物
 日本では1990年が初版。久しぶりに読んだ。ヨミガエリ物の先駆けか、タイムとラベル物というべきか。自分が死んでいく、気がつくと、何十年か前の自分がいる。そして…という物語。これはお勧めです。物語として面白く、そして多くの語るべきものを詰め込んで、最後までぐっと押していく。☆☆☆☆☆。もう一度、なんとかできたら…ってのは皆思うんだろうな。『ディープ・ブルー』も昔読んだけれど、これほどのインパクトはなかったな。

『レインマン』リアノー・フライシャー ハヤカワ文庫

2006-02-03 23:26:07 | 洋物
 好きな映画です。「レインマン」ダスティン・ホフマン、トム・クルーズがとてもよく、レインマンが「ア、オー」というのが特に好き。ということで、原作本かなと思って買ったが、ノヴェライズでした。ノヴェライズは薄っぺらなことがあるけれど、そうでもない。映画が、脚本がまず良かったのでしょうね。レインマンがアボットとコステロのギャグをやる場面が、想像の中で野球をやるというのに変わったりしてましたが。まあ、手軽に楽しめたので、☆☆☆。

『魔術師の夜 上・下』キャロル・オコンネル 創元推理文庫

2006-02-02 00:12:38 | 洋物
 お待たせしました。『クリスマスに少女は還る』のキャロル・オコンネル、キャシー・マロリー シリーズの登場です。第5作になるのですね。前作の『天使の帰郷』で何となくこのシリーズが終わってしまうような気がしてました。帰ってきてくれたよ、あのマロリーがという気分です。キャラクターがいいのですね。主人公のマロリーがいい。(勿論、キャシーなんて呼んではいけないわけで…)そしてチャールズ、ライカーといいのです。ほかにも養父の友人達、いろいろ。さらに魔術師達。このおどろおどろしさが、いい。本格であり、いろいろであり、解説がなかなかのもので、「そうそう」って思って読みました。その内、マロリー シリーズを再読してみようと思います。☆☆☆☆☆