黒野伸一という人、初めて読みました。舞台は長野県かな、の山間部。限界集落の止村(とどめむら)。合併で麓の幕悦町と一緒になっている。止村より上の集落はもう消えている。そこに父がその村出身の多岐川優がBMWの7シリーズでやってきた。実に数十年ぶりに。多岐川はアメリカでMBAを取得、金融の世界に生きてきた。それが突然、田舎にやってきた。そこで限界集落が消えようとするところを、農業の会社を興して再生!という物語。村民などいろいろ面白いのではあるが、☆☆☆か。社会勉強向き。
死んじゃってもいいのかな、と思っていた38歳。妻は浮気をしているようで、一人息子は中学受験に失敗し、公立中でイジメにあい不登校で時々キレる。自分は会社からリストラされて。そこに一台のオデッセイが止まる。親子が乗っているその車に乗るように言われ、旅が始まる。5年前の事故で亡くなっている親子、たまに人を乗せて走る。主人公は郷里で父が重病。土建業から金貸し、一代で会社を築いた父とは中学の頃から不仲。オデッセイは彼を過去へと連れていく。家族って、夫婦とは。そんなテーマです。☆☆☆ほ。
1999年、山本周五郎賞受賞作。先日、水道橋博士のエッセイで、重松さんという人がたけし軍団の芸人さんのゴーストライターをつとめていたこと読んだ。それはさておき、主人公は中学二年生。多摩地方の団地に住む。教師の父、大学時代に知り合ったという母、姉。父はサザンが好き、母はユーミン。エイジはバスケ部だったが、思春期の身長の急成長に骨格が追いつかないことからきた膝痛でバスケ部を休部中。友人のツカちゃん、風邪で私立中学受験を断念し、公立に通うタモツくん、片想いの相手相沢など、中学生群像。団地で起きていた連続通り魔事件、その犯人が同級生だったところから、中学生の心の中が大きく揺れ動く。という青春物語なのだけど、かなり深い所、そして中学時代の少年の心の動き、ゆらゆらと。☆☆☆☆。