再読シリーズ。警察小説、警察対暴力団、悪徳警察官小説。いろいろな言い方がありますが、骨太人間、驚き展開、ううぬ、男、ううぬ、女。そしてズシーンと来ます。善悪は常にその基準による。いい警官と悪い警官も基準。いい者、悪者も基準。歌舞伎のような赤と青の隈取である意味、想いを込めやすい。主人公は刑事一年目で広島県呉原市の暴力団担当となった日岡。若き熱血漢。上司となったのが大上巡査部長、県警きっての腕利きマル暴刑事。その背面にいろいろな噂もある人物。暴力団も人間力を感じさせる人物といかにもワルよのう、の人物。これも隈取なのだけれど、心を入れていってしまう。そしてその展開がまた、ぐい、ぐい、ぐいと来て、いきなり意表をつく。もう続編が出ているのだが、早く文庫化して欲しい。☆☆☆☆ほ。
オーストラリアのミステリ。セシリア、テス、レイチェルという三人の女性とその家族の物語。愛する夫と三人の娘、小学校のPTA会長でタッパーウェア販売のパーティーも。テスは夫と、双子のような関係の従妹と三人で広告会社を。息子が一人。レイチェルは二人の親世代。小学校校長の秘書、息子が一人、孫がいる。娘を一人亡くしている。三人のそれぞれの物語が進む。レイチェルは娘の死の真相を追い求め、セシルは最愛の夫がかつて書いた手紙を見つけ、テスは信頼する二人の裏切りに会う。ミステリというか、女性的なる物語。この辺りは好みが分かれるか。☆☆☆。