カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『あしたの君へ』柚月裕子 新潮文庫

2020-09-27 22:43:38 | 和物
 家庭裁判所調査官補望月大地を主人公とする短編5話。裁判所職員採用総合職試験に合格の後、二年間の養成課程研修。その期間が調査官補となる。和光市にある総合研修所で3カ月、その後1年あまり各地で実務修習。少年、家庭、さまざまなケースにあたっていく。自分は果たして向いているのだろうか…。どこかで見たようなという気もするが、それぞれのケースの中にひかれるものがある。厳しい仕事というのであるが、それだからこその凄みがある。興味深く面白い。☆☆☆☆。

『監督の問題』本城雅人 講談社文庫

2020-09-24 20:17:18 | 番外
 本城雅人の野球モノ、今回は監督編。新潟OCアイビスの監督宇恵康彦を主人公とする物語。新潟アイビスはパリーグのチーム。宇恵は大阪ジャガーズ(阪神タイガースかな)の四番で2000本安打1本手前で引退したばかりの新米監督。コーチには後輩の丸山打撃コーチ、「投手コーチは優秀な人を」との頼みで数チームを渡り歩いてきた名投手コーチの嶋尾。球団代表はアメリカで統計学を学んだ近代ベースボールの加賀谷に、優秀で美しい広報の筒美。最下位が定位置のチームが変わっていく。チーム、フロントとはこうなんだと納得の展開、キャラクターが面白く、そこに成長ドラマ。6話で終わってしまうのだけれど、もっと読んでいたいよね。☆☆☆☆。

『グレイヴディッガー』高橋和明 講談社文庫

2020-09-22 10:31:13 | 和物
 再読シリーズ。グレイヴディッガー=墓掘人 が襲い掛かる。愛すべき悪党の八神俊彦。このキャラクターが大変に素晴らしい。骨髄移植のドナーとなるために、金を借りに行く八神。そこでとんでもない奴に襲われた。それも複数。そこから大逃亡劇・大追っかけっこが始まる。警察のキャラクターも少年課時代に八神を担当した古山がいい。作品はテレビ出身ということもあってか、映像が浮かぶ。ハラハラドキドキ、スピード感もしっかりと。事件の裏にあるものはでちょっぴり荒いかなってところはあるが、どんどん引きずり込まれて☆☆☆☆。