カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『硝子の殺人者 東京ベイエリア分署』今野 敏 ハルキ文庫

2011-02-27 12:55:23 | 和物
 安積警部補の東京ベイエリア分署シリーズ第三作として1991年が初版。実に20年近く前となる。係長の安積、部長刑事は安積とは相性の合わない村雨と不思議な個性を持つ須田。須田の下に黒木。村雨の下には大橋がおり、桜井がいる。交機の速水、敵役で本庁の相楽などの役者も登場。村雨以外の5人でバーに、そこで脚本家とアイドルを見かける。そこに別の脚本家が殺されたという連絡。須田の味、村雨は例によって頼りにされながら、違和感を抱かれている。そんな警察という「会社」の中のいろいろの中で、事件が解きほぐされていく。このシリーズとしては、手堅い出来で、☆☆☆ほ。


『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン ハヤカワ・ミステリ文庫

2011-02-26 16:54:37 | 洋物
 同名の映画の原作。アメリカ、ボストンに近い離島、かつては軍の要塞であった場所が、精神病院と刑務所を兼ねた施設となっている。そこを調べるために保安官が二人。テディは戦争の英雄、妻が放火によって死亡している。相棒となったのは、シアトルから来たというチャック。凶暴で、精神に異常をきたした受刑者達が収容され、ABCの棟がある。そこではナチス並の人体実験が行われているとも。その捜査、さらにテディは妻死亡となった放火犯が収容されているという情報を聞きつけていた。という話。どうも難しい。ハリケーンが来て、混乱の中で侵入していくが…。読み終えたが、投げ出したくないという理由で。好みではない。☆。

『夜にその名を呼べば』佐々木譲 ハヤカワ文庫

2011-02-12 20:34:54 | 和物
 1992年の作。1986年の東京から物語は始まる。一気にウィーンへ。そしてベルリンで本当の幕が開く。ココム規制にひっかかりそうな輸出に携わる神埼。そこから一気に暗転する。舞台は1991年の東京へ。世界を舞台に、まるで翻訳モノを読むようなテンポと展開。日本を舞台に役者達が集められ、事件が事件を呼んで行く。予想以上に面白く、もっとこの世界で書いてもらえばよかったのにという想いも。☆☆☆☆。