カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『インビジブル』誉田哲也 光文社文庫

2016-05-16 22:08:27 | 和物
 姫川シリーズである。主人公は警視庁捜査一課十係、姫川班の主任姫川玲子。その姫川、かつて姉を殺された柳井健斗、そしてやくざの牧田らの視点によって物語は展開する。警視庁の汚点を隠そうとするキャリアの部長、和田課長、今泉係長、元捜査一課のベテランなどの絡みと単独行の姫川。今回は熱い、女姫川、そして男が描かれる。予想外の展開も続き、ちょっと切なくもある。姫川チームは休業気分。☆☆☆☆ほ。

『一路』上・下 浅田次郎 中公文庫

2016-05-11 21:11:08 | 番外

 旗本の中でも交代寄合という大名並の格式を持つ蒔坂家。その御供頭小野寺一路。父が焼死し、突然家督を継いで殆ど訪れたことの無い国許へ、参勤交代の供頭を務めることに。されど、父からは何も引き継いでおらず、その助手となる家も同様の代替わりしたばかり。果たして、道中やいかに。旗本蒔坂左京太夫は「うつけ」と言われながら、なにやら一筋縄でいかぬような。様々な登場人物によって波乱の道中が進む。流石に浅田次郎はうまいのです。楽しく読ませてくれて、☆☆☆☆。

『検事の本懐』柚月裕子 宝島社文庫

2016-05-08 10:10:22 | 和物
 『臨床真理』で第7回このミステリーがすごい!大賞受賞した柚月裕子の第三作。検事佐方貞人を主人公とする短編集。関東の米崎地検の検事だが、それぞれの短編に彼は登場人物として描かれる。米崎東署署長であったり、米崎地検の上司であったり、彼らが語る中で佐方という人物が描かれていく。それぞれに物語があり、次第に謎がほぐされていく。山本周五郎賞ノミネートというのもうなずける。鉱脈発見。☆☆☆☆。