単行本として刊行されたのは2019年7月というこの小説、ちょっと驚く。伊坂作品では章の頭に独特のイラストが付けられることがあるが本作も。今回はそれに川口澄子の描く台詞無しアクションシーンが何か所かに挿入される。作者曰く「アクションシーンは、小説が苦手とするもののひとつではないか、と…」いうことでの合作。クジラアタマとは大きな不思議な鳥の異称。夢の世界に登場し、その夢の世界と現実とがリンクする。その夢を見ることができるのは限られた人、主人公、都議会議員、有名ダンサー。そこに新型インフルエンザのパニックが。2019年に新型インフルエンザが流行、そこからというが、我々は2019年と言えばその後にくるコロナ禍のパンデミックを思い起こすわけで、おう、伊坂の未来予測、と思ってしまう。主題とは別の部分での衝撃もあって☆☆☆☆ほ。
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