カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『もぐら 讐』矢月秀作 中公文庫

2018-01-27 22:18:46 | 和物
 もぐらシリーズ第二作。警部補の殺人事件が起こる。警視庁は特捜本部で捜査に当たり、何故か組対の垣崎、楢山といった前作登場の面々が捜査に当たる。第一作の事件後、影山竜司は刑務所に収監されていた。そこに不思議な教団アレースが動き出し、刑務所の影山に極秘任務が。周到な計画とともに、事件は極大化していく。あっと驚く展開もあり、事件の背後に過去の悪行が。という盛沢山。☆☆☆ほ。

『もぐら』矢月秀作 中公文庫

2018-01-25 23:34:04 | 和物
 再読シリーズ。影山竜司、東京・大久保に住むトラブルシューター。かつて警視庁組織犯罪対策部の刑事。潜入捜査の失敗で、親友と妻と娘を亡くし、殺人の罪で服役した。相談事を引き受け、犯罪者は徹底的に叩く。かつての上司、先輩と関わりを持ちながら、町の汚れを消していく。渋谷で起こったクスリ絡みの事件。女子高生がかどわかされ、薬漬けにされ、売春に。それを助けた筈が、大きな事件へと展開する。少々荒っぽいが時間つぶしにはなる。☆☆☆。


『ゼツメツ少年』重松 清 新潮文庫

2018-01-23 21:15:06 | 番外
 中学生のタケシ、小学生のリュウとジュン。三人から小説家の先生に「僕たちはゼツメツします」という手紙が届く。不登校生を集めたキャンプで、リュウはタケシとジュンと出会う。タケシはゼツメツから逃れるために家出をしようと誘う。誰がイジメてもいいと宣言されたタケシ、塾ではトップクラスというジュン、元気で人気者だったのに、正義感からイジメの対象となってしまったリュウ。三人は家出=探検に出かける。「先生の物語に隠してください」物語と手紙とで展開する。それぞれの物語が明かされながら。そこには先生の小説に出た人々がもう一度出てきたり(重松作品、いろいろ読んでいると思ったけど、分からなかった…)。ゼツメツを逃れることはできるのか。海に帰ればクジラになれるのか。☆☆☆☆ほ。

『月光のスティグマ』中山七里 新潮文庫

2018-01-21 11:54:56 | 和物
 神川淳平は幼馴染の美人の双子優衣と麻衣といつも一緒。二人を区別できるのは、彼女等の母親と淳平。中学3年で、優衣と麻衣の家が爆発事故を起こし、父親が亡くなる。高校受験の頃、淳平の兄と姉妹のどちらかが。その日、阪神大震災に遭遇、淳平は一人生き残り、優衣を助け出す。その後、淳平は特捜部の検事となる。そこで政治家の内偵を始めた所で、震災以後消息が途絶えていた優衣に出会う。そしてまた東日本大震災に。大きな展開、思わぬ展開で進むのはいかにも中山七里。最後も、えっと言うことで☆☆☆ほ。


『フロスト始末』上・下 R・D・フィングフィールド 創元推理文庫

2018-01-21 11:42:28 | 洋物
 フロスト警部シリーズの最後。イギリス・デントン警察署のフロスト警部、相変わらずの事件、事件、事件。部下のウェールズ出身の芋にいちゃんモーガン刑事は例のごとく、ビル・ウェルズ巡査部長は責められ続け、署長の眼鏡猿のマレット警視もまた例のごとく、今回はスキナー主任警部が登場し、いよいよフロスト警部もピンチ。人間の脚が見つかり、行方不明の少女たち、さらに女性の死体。その一方で脅迫事件も起こり、フロスト警部の下ネタも全開。思わぬ展開もあったが、フロスト警部、これが最後というのはあまりに惜しい。別の作者のフロスト前史が出てるというが、最高のシリーズがこれにて完。☆☆☆☆☆

『反乱のボヤージュ』野沢 尚 集英社文庫

2018-01-04 21:07:56 | 番外
 野沢尚は読んだことが無かったような。首都大学(東大がモデル)の学生寮、大学側はこれを廃止しようとしている。そこに暮らす70名の寮生はこれに対抗。といっても、全員が一丸ではない。主人公は医学部一年生の坂下薫平。彼の視線で物語は進む。委員長の司馬、副委員長の本多真純は田北とともに二人だけの女子学生。全共闘の闘志を父に持つ麦田といった学生たち。これに賄いの菊さん、そこに寮の舎監として名倉、元機動隊員が登場し、物語は進む。少々、甘いような気分が漂うが、まあ、青春か。☆☆☆ほ。

『ヒポクラテスの誓い』中山七里 祥伝社文庫

2018-01-02 20:48:54 | 和物
法医学教授光崎藤次郎のシリーズ。研修生の栂野真琴、埼玉県警の古手川、登場しない古手川の上司はあの渡瀬。中山一座ですね。司法解剖なんで、食事中の読書はオススメしません。いくつもの話が積み上げられていき、真琴も成長。古手川、渡瀬知っていると面白さは倍増か。謎もなかなかで、そう来るかということで☆☆☆☆。