カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『呼びだされた男』フリーマントル 新潮文庫

2007-02-26 23:25:26 | 洋物
 これはまた懐かしい再読シリーズ。1979年の本で、文庫を買ったのが1985年。実家で見つけ出し、本当に懐かしく読ませていただいた。主人公はチャーリ・マフィン。シリーズとしては3作目。元の上司の息子を助けるべく香港に赴くチャーリー。英国情報部、CIAを敵にまわしながら、北京にまで乗り込む。という話だが、やはり昔の本という感は強いですね。☆☆☆くらい。でもチャーリー・マフィンシリーズを全部読んでみたい気もするな。

『最期の声』ピーター・ラヴゼイ ハヤカワ・ミステリ文庫

2007-02-12 00:54:24 | 洋物
 ピーター・ラヴゼイも大好きな一人で、お待ちかねのピーター・ダイヤモンド警視物新作。殺人事件の通報に駆けつけるとその被害者は愛する妻ステファニー。捜査に加わることを禁じられ、さらには容疑者に。それでも走り回るピーター。容疑者が現れては消えていく。伏線の張り方が流石。ミスリードも流石。後からなるほどと思わせる細かな描写も流石ということで、☆☆☆☆☆といきましょう。

『死の開幕』ジェフェリー・ディーヴァー 講談社文庫

2007-02-09 21:16:34 | 洋物
 ジェフェリー・ディーヴァーはお気に入りの作家の一人。1990年というその初期の作品が翻訳された。主人公はルーンというドキュメンタリー作家を目指すちょっと変わった女性である。成人映画館の爆破事件、たまたま近くにいたルーン。成人映画の女優のちょっと違った話を撮ろうとしている内に次の爆破事件が起きてその女優が巻き込まれる。ドキュメタンリーを撮りながら謎を追う…という話。まあ面白いのだけれど、確かに初期っぽい。それでも驚きの展開があり、最後のまとめがとても秀逸。☆☆☆☆とするか。


『厭世フレーバー』三羽省吾 文藝春秋

2007-02-03 21:30:26 | 和物
 『太陽がイッパイいっぱい』の三羽省吾第二作。この本を電車の中で読んでいた。それを知ったウチのオクサンが「何て本を読んでるの」と言う。本に付けられた帯を見て、なるほどそう言われてもと思った。「俺がかわりに殺してやろうか」と大書してある。その下に「父親が失踪。全力疾走のはてに少年は血の味を知った-」ときた。ちょっと違うよね、これ。十四歳、十七歳、二十七歳、四十二歳、七十三歳という五つの章からなる。父親が失踪した家族の物語。それぞれの家族のモノローグで綴られる。崩壊寸前、あるいは既に崩壊していたのか、あるいは…。時の流れとともにそれぞれのモノローグが続いていく。そこで家族が次第に変化していく。三羽省吾。これはいいです。☆☆☆☆☆