カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『斬首人の復讐』マイケル・スレイド 文春文庫

2006-01-21 23:36:09 | 洋物
 『髑髏島の惨劇』でこのミスランクインは知っていた。でも読んでなかった。どうしようかなと思いつつ、手にとったら正解。かなり凝った本。終わったかと思うと、あるいは普通なら終わりだなと思うとまだ1/3残っている。さて、終わったと思ったらまだ1章残ってた。これが冗談ではない。そして伏線が張り巡らされ、さらにはもっと前の本の「本当の結末」なんてのもあるのだから、やれやれいやはや。カナダを舞台として、それがまた興味深く、登場人物のキャラも独特。まだまだ広がっていきそうということで、変化球の鋭いストレートという変な本に、☆☆☆☆ホ。『髑髏島…』『暗黒大陸の悪霊』これ楽しめそう。ついでに『ヘッドハンター』とかも復刊されたようだし。

『オシムの言葉』木村元彦 集英社インターナショナル

2006-01-19 22:09:02 | 番外
 ミステリーでも、小説でもないですが。僕はサッカーファンで、実は一応レイソルファン。(つらい…)そんな僕には前からオシムのことが気になっていた。たまに耳にする、目にするオシムの談話がとても面白い。そしてジェフがとても強くなり、面白いサッカーをするようになっていたこと。そこでこの本。ああ、オシムは凄い。人間として、別格にいるのだと分かった。もともとの彼の資質、そして運命が、時代が彼に与えた試練、それが今のオシムを作り、ジェフというチームが出来上がっているのか。ジーコに恨みはないが、日本代表を真剣に任せてみたかった。そしてジェフの祖母井という人、これも凄いなと感心。ジェフには祖母井がいてレイソルには○×がいた、これが今をもたらしたかなと、一レイソルファンは思った次第。しかし、オシムというのは偉大な指導者だと思った。☆☆☆☆☆

『CIAは何をしていた?』ロバート・ベア 新潮文庫

2006-01-18 23:46:11 | 番外
 内幕物として、とても面白い。元CIAの著者、検閲で消されたところはそのまま塗り潰しというもの。面白いけれど、わかりにくい、読み取りにくいところが、小説じゃないって感じがして、組織の壊れて行き方が、当方が実感するものと同じで信憑性を感じてしまう。リアル・スパイ。でも本当にアメリカのCIAがロシアのタンクを運転したのかね。面白い。☆☆☆ホ

ジョン・ガードナーに一票を

2006-01-07 22:14:03 | 洋物
 今回はお願いをひとつ。『復刊ドットコム』(http://www.fukkan.com/)をご存知でしょうか。廃刊となった本に投票し、復刊をお願いしようというものです。
 さて、ミステリー好きの皆様にお願いです。
 あの、ジョン・ガードナーのスパイミステリー『スパイの家系』の復刊に投票を。そして三部作でありながら、最後の一作の翻訳がなされていないというこの悲劇を終わらせるために、ご協力いただけますでしょうか。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=8545
『スパイの家系 I II III』ジョン・ガードナー の復刊に向けてご協力をお願いします。
 フレミングの跡を継いで007シリーズを書いたことでも知られていますが、じっくりこってりのスパイシリーズ、『沈黙の犬たち』ほか宝の山の作家です。

『無意識の証人』ジャンリーコ・カロフィーリオ 文春文庫

2006-01-06 23:59:21 | 洋物
 「ジェフリー・ディーヴァー激賞」どうも帯に弱い。普段は敬遠する一人称モノだったけれど、読ませてくれる。厳密にはミステリーとも違うと言っていい。「異色の法廷スリラー」というがジャンル違いの感あり。それでも何となく一気に読んでしまった。主人公の弁護士グイード・グエッリエーリの物語なのかな。その不安定さに惹きつけられたような。☆☆☆

『絶壁の死角』C・マッキンジー 新潮文庫

2006-01-04 22:30:50 | 洋物
 「正義感は人一倍強いが、美人にめっぽう弱い バーンズ特別捜査官。新ヒーローが大活躍の痛快冒険小説!」という帯に負けた。これはと飛びついたのだが、一人称物があまり好きでない僕にとってはちと、ちとである。帯で、これは鉱脈を掘り当てるかなと思ったのだが、山好きならいざしらず、キャラでは脇役のロス・マギーという怪しい爺さんがいるが、期待ほどではなかった。期待が大きかったから評価も厳しくなるが、後半からはまあ面白いと言えば面白い。基本的に好き好きだなと思う。☆☆☆。