「たくさんの笑いと少しの涙。青春ってイイな!」というのが帯のキャッチコピー。言い得て妙ですね。管理教育で進学校を目指す高校が舞台。そこにやる気とは無縁の野球部。そこへ転校生がやってくる。スーパー球児。彼の出現で快進撃が始まってしまう。完全試合、さらには…。この辺で頁が大分残っているけどどうするのって思っていたら、突然やってくる崩壊。おう、どうするコイツラ。それでも立ち上がる。再び夢に向かって…。さらにクライマックスが。伏線も聞いて…。すらすらと読み流せて、心地良くて、こんな青春、駄目高校生には自分を同化させやすいし、汗というのもいいのだし、ということで、☆☆☆☆とちょっとおまけ気味。
再読シリーズ。順番はひっくりかえったけれど、ジョン・コーリー物の第一作を読みました。最初、コーリーにしてはおとなしい始まりだったですが、どんどん調子に乗っていきます。ロングアイランド、その先にあるプライムアイランドはアメリカの細菌研究所。そこを舞台に殺人事件。ところがそこには歴史ロマンが背景にあり…。というところ。べス・ペンローズがいい。そしてエマ・ホワイトストーンがいい。それにしても相棒のファネリに会いたいもの。☆☆☆☆☆でいいかなと。
再読シリーズ。最初に、『王者のゲーム』を読む前に、必ず『プライムアイランド』を読むこと。文春文庫に入っています。元ニューヨーク市警の殺人課刑事ジョン・コーリーが一人称の主役。もうひとり、アサド・ハリールというリビアのテロリストが主役。こちらは三人称。二つの方向から進むのです。コーリーは『プライムアイランド』で活躍した刑事。今はFBIに作られたATTF(連邦統合テロリスト対策特別機動隊)所属。これがとてもいいのですね。ここまでの軽口には感動。この本、デミルが9.11を予言していたかと思わせるような部分がそこかしこ、あるいは連中が読んでいたのではと思わせる。それはさておいて、緊迫、謎追い、軽妙、いろいろ取り揃えて、レベル高い。☆☆☆☆☆。それも『プライムアイランド』読んでから読むこと。絶対。
再読シリーズ。再々読かも。ディーヴァーはやっぱり面白い。ハッカーが主役。悪者ハッカーに凄みがあり、刑事のビショップがいい味を出す。展開ごとに読者は確実に裏切られていく。そこがなかなか楽しい。登場人物が個性的で、ただし、全員が消化されているかというと、少々無理もあるけれど。それでもとにかく意外な展開。重要な登場人物と思ったらいきなり…。あいつが怪しいと思ったら…。一度読んだ筈なのに、驚けるのだから、凄い。というか私がアホなのもありましょうが。☆☆☆☆☆。
最近映画が公開されてました。ブリティッシュ・クライムノベルの新星のデビュー作ということです。ロンドンのコカイン・ディーラーの「おれ」が主人公。クールで知的。それでいて時々、間が抜けてしまう。知的な筈が一気にハメを外し暴走し、はたまた という展開。周辺の人物がそれぞれ個性的で、展開も意外。あれよあれよ、一体どうなるのという気分で読ませてくれました。☆☆☆ほです。今後、もうひと化けしたら面白そう。
これも再読シリーズ。1995年4月だから10年以上前ですね。ジャスティン・ホイットニーという10歳の少年。典型的なゴールデン・カップルの間で育った少年に危機が。両親が離婚をする!両親はともにジャスティンを愛している。そしてそれ以上にそれぞれに自分達が作り上げてきた湖畔の豪邸にひかれている。ジャスティンはペニーワースという悪魔と呼ばれる弁護士に助けを求める。そこからいかにもアメリカらしい不思議な法廷物にとなっていく。皆それぞれに愛らしい。憎たらしいかと思うとそうでもなく、基本的に善良なる人々で、それがアメリカの独特の裁判制度の中で話がこらがりますが、章立ての妙もあり、なかなか楽しませる。気楽に読めて面白い。☆☆☆☆です。