カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『ぼくとペダルと始りの旅』ロン・マクラーティ 新潮文庫

2013-02-13 22:15:43 | 番外
 再読シリーズ。作者は『SEX & CITY』にも出ている俳優にして小説・脚本の執筆業とか。不思議な小説です。主人公のスミシー・アイド。ロード・アイランド州のプロビデンスの家族。父は野球が大好きで、優しい母と美しい姉。姉の中には声が住んでいて、時々姉にとんでもないことをさせる。姉のベサニーが消えてしまって何年もたっていた。両親と休暇を過ごし、先に家に向かった両親が事故で死んでしまう。そこに姉の死を知らせる手紙が届く。父が手をつくしていたことから、西海岸からの便り。スミシーは自転車で旅に出る。自転車の旅、アイド家の物語、交互に進み、スミシーと隣家のノーマとのことも明らかになっていく。本当に不思議な物語。☆☆☆☆ほ。

『デパートへ行こう!』真保裕一 講談社文庫

2013-02-11 11:07:03 | 番外
 講談社百周年を記念して2008年9月に刊行された本が文庫になった由。舞台となるのは日本橋にある老舗デパートの本店。名門であるが、経営がゆらぎ始め、地方支店が地元市長に贈賄をしたのが事件にもなっている。閉店後の本店に何人もの人々が集う。グランドホテル形式の変形版。それぞれの人生が頁をめくる内に明らかになり、絡み合っていく。そこにデパートの持つ、持っていた力が描かれ、謎解きの要素も見えてくるのだが。少々拍子抜けの結末でおいおいという感じ。まあ☆☆☆がやっとかな。

『ロード & ゴー』日明 恩 双葉文庫

2013-02-03 22:15:48 | 和物
 日明恩の消防署シリーズ。赤羽台消防署の大山雄大モノからのスピンアウトっていうのだろうか。主人公は機関員の生田。元ゾクで消防車の機関員としては一流、今は救急車の機関員としての修行中。女性救急救命士の森、隊長の筒井の乗る救急車がジャックされる。誘拐事件もからみ、生田の運転で都内を走り回ることに。救急車の実態が描かれるというのは、消防車モノ以上に無い世界かと。生田がいい、生田のヨメさんがいい。いいのだな。救急の現状も伝わって、雄大シリーズの登場人物星野も登場し、ファンには嬉しい作品。☆☆☆☆。

『毒魔』G・M・フォード 新潮文庫

2013-02-02 17:36:20 | 洋物
再読シリーズ。元新聞記者にして犯罪ノンフィクション作家フランク・コーソのシリーズ第四作。病原菌テロがシアトルを襲う。バスターミナルで大量の病死。そこにドアティの昔の恋人が現れる。それぞれに謎を追い、巻き込まれていく二人。背景には世界から憎まれるというアメリカが浮かび上がる。一筋縄ではいかない作家だけあって、意外な展開の連続。読ませる一作で☆☆☆☆。このシリーズ、2007年の段階で六作まで出ているという。新潮文庫さん、あと二冊、出してくれないですかね。