舞台は東北新幹線。元殺し屋の木村、不思議な中学生の王子。蜜柑、檸檬。気弱な天道虫…。沢山の「業者」が入り乱れる。テンポのいい会話がつながっていく。軽いのだけれど、結構重い内容をぐさりと入れてくる。上野で降りる筈が、大宮で降りる筈が、ただの親父が、次々と予想を裏切る展開は流石。☆☆☆☆ほ。
「皇居に侵入せよ。」という帯に惹かれた。第57回江戸川乱歩賞受賞という。オンサイト、クライミングの世界で「自分が一度もトライしたことのないルートを、初見で完登すること」だそうな。主人公の水沢淶、とおると読むらしい。高校中退かで海外に飛び出し、フリークライミングで世界を歩いた男。それが失恋で日本に帰ってくる。といった話。☆ほ。何だか、これがどうして江戸川乱歩賞なのだろうと思った。