元新聞記者でノンフィクション作家のフランク・コーソとカメラマンのメグ・ドアティのシリーズ四作目。メグの個展のオープニングの日、突然、バスターミナルで大量の死者が。それが制御されたエボラ出血熱のウィルスによる感染死。それをコーソが追いかける。細菌テロを追う一方で、メグの全身に刺青を彫って消えた男が現れる。これを追いかけるメグ。複数の筋が入り乱れていき、そこそこ面白いのではあるけれど、不要な登場人物、無駄に出てきたとしか思えないヤカラが多く、実際のところメグとコーソという二人がいることの意味さえ怪しくなる出来ではある。ということで☆☆ほ と少々辛口。
再読シリーズ。作者は『白い犬とワルツを』を書いた人。アパラチア山脈の小さな町に、不思議なアイルランド人の旅役者が訪れるところから始まる。ミステリーというのとはちょっと違うかもしれない。アメリカの片田舎を舞台とする小説を時々読むが、これもそのひとつ。知らないアメリカには魔法使いのようなばあさんがいたりして、不思議な時が流れている。そんな世界に触れることの面白さで☆☆☆ほ。
坂本司と鳥井のシリーズ第三弾。物語の中で次第に鳥井の過去も明らかになり、ひきこもりの理由も見えていく。とうとう鳥井が外に出る。坂本のいささか重く感じられる思いは少々なんだが、人が成長していくのを見るのは悪いことではないかも。やはりこれはミステリーという舞台を借りた物語なのだろうなと。☆☆☆。