カタカナ・ミステリー大全

洋物のミステリーの読書日記。原則は文庫本のみ。

アメリカの警官は、ドーナッツが大好き!

どうぞ、召し上がれ。

『裏切りのノストラダムス』ジョン・ガードナー 創元推理文庫

2005-08-28 12:31:14 | 洋物
 再読シリーズ。ガードナーのクルーガー三部作。これは面白いですよ。今の文庫なら二分冊。そこにぎっしり。イギリスの情報機関、ドイツ系のクルーガーが主人公。その人物像がとてもしっかりと出来ている。大柄で笑顔は相手を油断させるもの。マーラーが大好きで料理も達者。少しづつ、背景が明らかになっていき、深まっていく。第一弾が「ノストラダムス」ときました。始まりから怪しげなムード。三部作というものの面白さを知り尽くした構成です。クルーガーは情報を引き出す役。そこで語られるのが過去の「スパイ活劇」。いやあ、たまにはこういった構成がしっかりとしたもの読むと面白い。☆☆☆☆☆。

『ミスティック・リバー』デニス・ルヘイン 新潮文庫

2005-08-14 15:05:04 | 洋物
 ずしりと来ましたね、久々に。三人の少年時代があり、そこから数十年後に舞台は移る。それぞれの人物像がよく描かれている。もっと、というところもあるけれど、思わぬ展開、分かったと思ったところから、伏線が効いてきて別の世界へと広がる。それぞれの人物がかかえている人生、家といったもの、それがまた大きく効いてくる。ということで大変に面白く、☆☆☆☆☆ということで。

『悪夢の帆走』ジェイムズ・セイヤー 新潮文庫

2005-08-11 22:17:52 | 洋物
 『アメリカの刺客』は面白かった。期待して読み始めたが、世の中そううまくはいかない。これはいささかわずらわしい。キャラクターの作り方が浅く、筋が見えていて、あまりに安易に男女を使い、海という舞台も何だかね、というところ。『アメリカ…』で利いていたキャラクター作りのうまさが消えてしまったみたい。なんともがっかりしてしまったなということで、☆☆ほ。

『アメリカの刺客』ジェイムズ・セイヤー 新潮文庫

2005-08-04 15:04:08 | 洋物
 またまた再読本です。J・セイヤーは『地上50m/mの迎撃』というのもありました。これ面白かった。さて、この本ですが、クレイという主人公がいい。いかにもアメリカ映画のヒーロータイプで、憎めないキャラというのが定番であるけれど、心地よいのですね。ストーリーは破天荒だけれど、「解説」にもあるけれど、詳細な描写もあって、現実感あり。それだからまた面白い。『大統領暗殺特急』というのもあるようで(扶桑社)、販売当時見かけたけどその時には買いそびれ、この本を買って読んだ後にはもう手に入らなかった。残念だな。ということでこの本は楽しめるということで☆☆☆☆。

『キッチン・コンフィデンシャル』アンソニー・ボーデイン 新潮文庫

2005-08-02 23:58:44 | 番外
 ミステリーではないけれど、面白かったので。作家はシェフ。それでも小説も書いていて、ミステリーもある。『シェフの災難』『容赦なき銃火』は早川書房から出ているとかで、何だか忘れてしまったけど『シェフの災難』読んだことあるかも。全体がコースになっています。そこで出てくるシェフの世界は、ちょっと仰天。なるほど、そんなんあり。っていう感じです。それでいて「自分自身の立身出世」物語でないのがいいですね。ちゃんと、一目置くシェフに対しては謙虚なんだな。その店に行ってみたいねという気にさせてくれます。
 彼がシェフをしていた「レアール」の支店が東京にあったようだが、残念ながらもうないそうで。行ってみたかったですね。でも月曜なら魚はダメ。☆☆☆☆。