作者は『戦場のコックたち』も書いた人。アメリカ軍を舞台とした小説に全く違和感、日本人が書いている感が無くて驚いた。今回はファンタジーというべきか、とても変わった小説。大きな川に挟まれた菱形のような読長町、そこにある御倉家は全国でも知られた書物の蒐集家。その孫娘が主人公の御倉深冬。読書家で書物の蒐集家であった祖父は地下二階、地上二階の書庫を一般にも開放、その妻は本の盗難を契機に開放を止め、盗難防止に必死。息子あゆみは柔道場をやりながら妹のひるねとともに書物の管理をする。あゆみの娘深冬は本が嫌い。何故かそれが本の世界に引きずり込まれる。本が盗まれるたびに、読長の町がその本の世界となってしまう、「ブック・カース」。これは本を盗まれないための呪いとか。盗人がつかるまでそれは解けない。物語は進む。不思議なお話。☆☆☆ほ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます