世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ロフォーテンの画家たち
ノルウェー画家の絵を漁って、リンクにリンクをたどると、ロフォーテン諸島の情景を描いた絵にヒットすることが、たまにあった。いろいろと調べてみても、日本語はもちろん英語の解説もない。
で、ロフォーテンの画家たちについてはほとんど何も分からないのだが、多分、その厳しくも美しい自然や、そこに暮らす人々の素朴な生活に魅了され、その地に暮らしその地を描いた画家たちが、何人かいたのだろう。
ロフォーテン諸島は、氷河によって削られた山塊からなる群島。最近、ノルウェー北極圏の観光ポイントとして人気を得ているという。
鏡のように周囲を映し出す、深い青い海原と、入り組んだ入江。夏でも雪を頂く、荒々しく切り立った岩山。赤や黄色の木造家屋の点在する素朴な漁村。……陳腐な表現だが、絵葉書のように素晴らしい、息を呑む景観だとか。
ロフォーテンに生まれたグンナール・ベリ(Gunnar Berg) やオットー・シンディング(Otto Sinding)、ノルマン・アデルスティーン(Normann Adelsteen)などが、ロフォーテン諸島の代表的な画家だという。
が、ロフォーテンを描いた画家たちは多く、例えば、オスロで活動したノルウェー写実派の代表的画家クリスティアン・クローグなんかも、その一人。クローグ自身は民族主義を批判する立場だったが、彼の描いたロフォーテンの情景は、ノルウェー叙情たっぷりの、なんとも民族主義的な雰囲気。
だから、いかにもノルウェーらしいロフォーテンには、オスロの画家たちも好んで訪れただろうし、その結果イギリスのニューリンのように、画家たちが集まって芸術家コロニーとなった漁村も、あるいはあったかも知れない。
いつも思うことだけど、マイナーな国のマイナーな画家たちの絵も、結構秀逸なものが多いのだから、誰か丁寧に紹介してくれればいいのにな。
画像は、グンナール・ベリ「レイネの墓地」。
グンナール・ベリ(Gunnar Berg, 1863-1893, Norwegian)
他、左から、
グンナール・ベリ「トロルフィヨルドの戦い」
グンナール・ベリ「ロフォーテン、レイネの漁船」
シンディング「ロフォーテン、レイネの冬」
オットー・シンディング(Otto Sinding, 1842-1909, Norwegian)
シンディング「浜辺の漁師の娘」
ノルマン「フィヨルド風景」
アデルスティーン・ノルマン(Adelsteen Normann, 1848-1918, Norwegian)
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