世界をスケッチ旅行してまわりたい絵描きの卵の備忘録と雑記
魔法の絨毯 -美術館めぐりとスケッチ旅行-
ギリシャ神話あれこれ:ヘラクレスのライオン狩り
すっかり逞しい若者に成長したヘラクレス。力を持て余していた彼は、キタイロン山麓に出没して家畜を荒らしまわっていた獅子を退治することに。
ヘラクレスは50日間、毎日獅子狩りに出かけては獅子を追いかけまわしていた。このとき彼は、彼を気に入ったテスピアイの王テスピオスに招かれて、王の館に世話になり、毎晩、獅子狩りから帰ると、王の娘と共寝した。う~む、さすが女好き。
が、わざわざ勘繰ったりしない単純なヘラクレス、自分の相手は同一の娘だと思っていたらしいのだが、彼が寝ていたのは実は50人の異なる娘たち。ヘラクレスの孫を欲しがった王が、自分の50人の娘たちを、代わる代わる彼のベッドに送り込んだわけ。……狩りから帰ると、酒でもかっくらって、娘の顔もろくに見ないで寝台に倒れ込み、出すもの出して、そのまま高鼾かいて朝まで爆睡してたんだろうな。
で、結果、王には思惑どおり50人の孫が産まれたという。
とにかくヘラクレスは、50日目に到ってようやく獅子を退治する。オリーブの木を根こそぎ引っこ抜いて棍棒を作り、この武器は彼にマッチしていたのだろう、これで獅子をボカン! と殴り殺したわけ。
ヘラクレスはその毛皮を剥ぎ、これも多分気に入ったのだろう、以来、牙を見せて口を開いた頭をそのまま兜にして、ライオンの毛皮を身に纏い、手には棍棒を携えるようになった。
キタイロン山の獅子を退治した帰途、ヘラクレスはボイオティア、オルコメノスの王エルギノスの使者たちに出会う。その頃テバイは、敗戦の結果、年100頭の牡牛をエルギノスに貢納していた。
ヘラクレスにばったり出会ったのが使者たちの運の尽き。ヘラクレスは、彼らの耳と鼻をそぎ落として、それを首にぶら下げさせ、代わりにこれを貢物に持ち帰れ! と言い放つ。……案外残酷で、手加減を知らない。
もちろんエルギノスは大いに激怒。テバイに攻め寄せる。が、アテナ神から武具を得たヘラクレスがテバイ軍を率いて迎え撃ち、エッヘン、勝利を収める(ちなみに、父王アンピトリュオンはこのとき戦死。南無~)。
輝かしい戦功。だが、英雄の人生はそう上手いこと行かない。
To be continued...
画像は、アンニーバレ・カラッチ「休息するヘラクレス」。
アンニーバレ・カラッチ(Annibale Carracci, 1560-1609, Italian)
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