ギリシャ神話あれこれ:末裔たち(続)


 さて、ネオプトレモスは、トロイア戦争に従軍するにあたって、総大将アガメムノンの弟で、ヘレネの夫であるメネラオスから、一人娘ヘルミオネを妻として与えよう、と約束されていた。で、もちろん彼は、帰国後、ヘルミオネを正妻として貰い受ける。 

 このヘルミオネ(英語読みでハーマイオニー)というのは、絶世の美女ヘレネの娘だけあって、美貌の女には違いないのだが、性格に難があるらしい。

 トロイア戦争発端は、母ヘレネの駆け落ち。戦争中、両親は不在、しかも父メネラオスはギリシア、母ヘレネはトロイアという、敵味方の関係。
 ヘルミオネはもともと、幼少の頃に、父王たち(アガメムノンとメネラオスの兄弟)によって、従兄に当たるオレステスとの婚約が決まっていた。戦争中は、伯母に当たるクリュタイムネストラの手で育てられたというが、多分、伯母とその情夫との影で、エレクトラとオレステス、そしてヘルミオネが、相手にされない子供同士、寄り添って暮らしていたのだろう。
 そして戦後、クリュタイムネストラの謀反により、許嫁のオレステスは亡命を余儀なくされる。
 ……そんなこんなの成育過程。

 そこへいきなり、見知らぬ男、ネオプトレモスが現われて、約束は約束だ! と断固主張してくる。ヘルミオネにとっては寝耳に水。というのは、ヨリを戻した父メネラオスと母ヘレネは、えっちらおっちら、トロイアからの帰国に、実に8年の歳月を要したのだから。

 さて、強引にエペイロスへと連れ去られ、ネオプトレモスの妻になってみると、そこには、夫の子を連れた愛妾アンドロマケがいる……

 To be continued...

 画像は、F.レイトン「囚われのアンドロマケ」。
  フレデリック・レイトン(Frederic Leighton, 1830-1896, British)

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