団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

スポーツの力

2022年08月09日 | Weblog

  コロナ第7波の感染者数で、日本は遂に世界で一番多くなってしまった。4回目のワクチン接種を終えたとはいえ、4回接種した人でも感染したとの報告もある。年齢に加えて、基礎疾患をかかえる私は、おとなしく家に籠っているのが最善策と決め込んでいる。今、そんな私を救ってくれているのが、スポーツ中継だ。大相撲名古屋場所は、好きな逸ノ城が優勝した。アメリカの大リーグでの大谷翔平の活躍を観るのも、コロナを忘れさせてくれる時間である。数日前から夏の甲子園高校野球も始まった。テレビの前に陣取る日が続いている。

  ネットのニュースで『MLB】ボールボーイ“命知らず”の大失態が騒動に「即刻クビに」「危険に晒されている」』の見出しに目が留まった。大谷の試合にだけ気を取られているが、大リーグには、30チームがあり、連日試合が行われている。さっそく調べてみた。日本時間8月7日、メッツ隊ブレーブス戦のダブルヘッダーの2試合目の5回に事件が起こった。メッツのマックス・シャーザーが投球モーションに入った瞬間、3塁方向からボールボーイが1塁側に走って、打者捕手審判の後ろを横切った。当然シャーザー投手は、タイムを要求した。記事の文字だけ読んでもこの様子は、よく分からない。ここでYou tubeの出番だ。検索した。あった。凄い。記事に書かれていた光景が、映った。ボールボーイは、メッツのネクストバッターズサークルにあった道具を片付けようとしたらしい。投手の集中力を乱すだけでなく、危険である。暴投やファールのボールが、ボールボーイに直撃するかもしれない。打者に投手が投げたボールが、直撃することを日本ではdead ball(死球)と言う。まさに危険なボールだ。英語では、hit by pitch と言うが、日本のデッドボールの方が言い得て妙だ。

  プロゴルフトーナメントなどで、選手がプレイする時、大勢の観客が周りを取り囲んでいる。会場にいる係員は、ボードで「Quiet Please」(静かに)などと注意喚起している。プロのテニスの試合などでも、選手の集中力を削ぐ行為は、禁止されている。選手を守るのも、観客を守るのも、会場の運営側の大切な仕事である。

  日本時間8日のエンゼルス対マリナーズ戦の3回の表、大谷翔平がバッターズサークルにいたところ、相手の投手のゴンザレスに足をゴンザレスのスパイクで踏みつけられた。大谷は悶絶して痛みを訴えた。テレビ中継だけだと、何が起こったのか分からない。大谷がいくら活躍していても、病気や怪我で出場できなくなることもありうる。You tubeのお陰で、試合後に詳細な画像を観ることができた。大谷は、エンゼルスの走者がホームへ向かおうとしていたのを、呼び込もうと1塁側に回ろうとした。そしてカバーに入ろうとしていたゴンザレスと衝突した。その時ゴンザレスのスパイクが大谷の左足の先に乗ってしまった。私は、ゴンザレスが、大谷に意図的にやったのではと疑った。とにかくマリナーズとエンゼルスは、先日大乱闘をしたばかりなのだ。

  高校野球でも、8日珍しいことが起こった。海星と日本文理の試合の6回、海星の打者が3塁側に打ち上げたファールフライを日本文理の3塁手が追いかけた。ところがボールの落下地点にこともあろうか、日本文理の控え選手が飛び出し、ボールを見上げて衝突。ボールを取れなかった。捕球していたら3アウトでチェンジだった。アメリカ大リーグのボールボーイの大失態と似たケースだと私は思った。しかし日本のネットでは、この件は、ほとんど騒がれなかった。味方の失態とは言え、あまりにもお粗末で低次元な行動だった。日本人は、優しい。良くも悪くも、コロナ禍、スポーツは、私を怒らせたり喜ばせたりして、悪い時間を忘れさせてくれている。戦争も政治も宗教も、できないことだ。

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