団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

スーパーボールと大相撲

2021年02月09日 | Weblog

  高校の同窓生のN君からメールがあった。8日の朝8時からNHKBSでアメリカのスーパーボールの実況放送があると教えてくれた。もう1年以上、毎日テレビではコロナの事ばかり。私もすっかりウツ状態である。大相撲の15日間はコロナの事を忘れさせてくれた。大相撲が終わると、また気がふさぎ込んだ。そんな時、N君は事細かに今回のカンザスシティ・チーフスとタンパベイ・バッカニアーズのチームや選手の情報を書いてくれた。観る気満々になった。持つべきは、良き友である。8時からプリントアウトしたN君の情報を片手に観戦した。

 試合開始前のショーも圧巻だった。N君が紹介していたアマンダ・ゴーマンの詩の朗読も素晴らしかった。詩を聴いて、ウルウルするのは数十年ぶりだった。観ていて思った。これだけのことがアメリカでできるなら、東京オリンピックもできるかも、と幻想を抱いた。

 N君が力を込めて讃えていたタンパベイ・バッカニアーズのクォーターバックの43歳のトム・ブレイディが目の覚めるような絶妙なパスでタッチダウンを決めて得点を重ねた。トム・ブレイディを観ていて、私のカナダの高校時代にタイムスリップしていた。

 カナダの高校の体育の授業で生まれて初めアメリカンフットボールを経験した。クラスにジャック・フィスターがいた。彼はアメリカのモンタナ州出身だった。ハンサムで運動神経抜群。学校でモテル男子は、アメフトのクォーターバックである。体育のアメフトの授業でジャックは日本人の私に丁寧に優しくいろいろ教えてくれた。試合中に何度も私にパスを出してくれた。こんな男ならモテないわけがない。クォーターバックには指導者の素質と運動能力が無ければつとまらない。。防具も無し。そんな試合でパスなど受けたものなら、相手チームの強烈なタックルを受ける。アイスホッケーといい、アメフトといい、集団格闘技である。

 大相撲は個人競技だが、アメフトは相撲取りのような選手がチームで闘う。体格だけではない。頭脳的な組織力、作戦力が不可欠。チームを引っ張るのがクォーターバックである。ラグビーも素晴らしいスポーツだが、アメフトはそれ以上に好きなスポーツである。そいえば、トム・ブレイディは、来日して豪栄道と稽古場で相撲を取ったことがある。アメフトと大相撲にも接点があったのが嬉しい。

 N君のお陰でスーパーボールを楽しむことができた。アメリカには解決しなければならない問題が数多くある。それでも世界を熱狂させるアメフトのような祭典をもやってのけるアメリカ。アメリカにあって、中国にないのは、スポーツ精神と遊び心だと思う。どんなに強くても規則には従い、終われば双方が讃えあう。スーパーボールは、そんな未来の世界の夢を私に見させてくれた。

 

 

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