団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

厭世 ニュース回避

2022年07月12日 | Weblog

  ニュースを避けている。正直、私は自分が小心者だから、世間の真実を受け入れられないのだと思っていた。ところが英国のロイタージャーナリズム研究所が14日に出した年次報告書によると、私のような人間が世界中にいるという。新型コロナウイルス、ロシアのウクライナへの侵略などの重大なニュースを、意識して避ける人が増加している。46カ国と地域で9万3432人を調査対象にしてオンラインで実施した。ニュースを習慣的に読む人の38%が、重大ニュースを避ける傾向にあると回答した。私は、てっきり自分だけが意志薄弱な性格ゆえに、ニュースを避けているのだと思い込んでいた。世界中にニュースの影響で、気持ちが落ち込むという人がいる。自分だけがダメ人間でなかったことに安堵した。

 妻は高校の担任教師に「新聞を読むな」と言われたそうだ。理由は、新聞は真実を伝えていないから。私が出会った教師でそう言った教師は、いなかった。妻は、担任教師を信頼していた。妻は、今でもそれを信じているようだ。英国のロイタージャーナリズム研究所の調査によると、ニュース全般への信頼性が低下しつつあると判明した。研究所のラスムス・クライス・ニールセン氏は「メディアは必要以上に政治の影響下にあり、大半の報道機関が商業的な利益よりも社会にとって何が最良かを優先していると受け止めている人はわずかである」と分析した。妻の高校の担任教師が、約50年も前に言っていた事だ。

 7月8日安倍元首相が、参議院議員選挙の応援のために訪れた奈良県で銃撃され死亡した。安倍元首相は、私の孫の一人と同じ潰瘍性大腸炎だった。安倍元首相が難病を抱えながら、世界を飛び回っていたことに孫の将来を重ねていた。難病を抱えていてもあそこまでできる。ともすれば孫の将来を悲観的にみてしまっていたが、安倍元首相の動向に一喜一憂していた。

 安倍元首相の銃撃による死亡は、重大ニュースとなった。多くのテレビ局は、このニュースを週日取り上げていた。7月10日は参議院議員選挙の投票日。事件が起こったのが投票日の2日前だった。私は、ネットでこの事件を知った。テレビでニュースを観た。どの局も奥歯に物が挟まったような伝え方だった。また銃撃された場面を何度も何度も繰り返していた。政府高官や自由民主党の国会議員の「民主主義の根幹である選挙期間中での暴挙」の繰り返しも引っかかった。更に銃撃犯が語ったという「宗教団体への恨み」に関する報道が気になった。

  誰もがこの宗教団体は、どの宗教と知りたいと思う。それぞれ勝手にどの宗教と勘繰る。それがSNS上に出回る。マスコミは、常に国民には真実を知る権利がある、を常套手段に取材する。ところが自分の都合が悪くなると、逆の行動を取って隠蔽する。その最大の原因は、日本には、マスコミが立ち入れない『聖域』が存在するからである。その『聖域』の実態は、金である。マスコミは、スポンサーにひれ伏す。政治屋は、献金(ほとんどが闇献金)。宗教も献金。

  人間社会が嫌になる。ニュースから逃れようと、ネットフリックスで日本映画『新聞記者』を観た。そこで「Believe and daut yourself more than anyone else(誰よりも自分を信じ疑え)」という言葉を知った。そうだ、自分を疑おう。そして自分を信じよう。自分は、私が死ぬまで自分でいてくれる。

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