年金事務所から葉書が届いた。私の年金が増額されるとの知らせだった。私の妻は、まだ働いている。私たち夫婦は、世間一般の夫婦と違う。外で妻が働いていて、私が家で主夫をしている。妻と私は、年齢が干支で一回り違っている。私は、すでに年金を受給している。自営業だったので、国民年金だけしかない。先日、北野武さんが、自分の年金の額が国民年金だけで額を知った時、気絶しそうになったとか。私の受給額は、北野武さんより若干少ない。
働いている妻が、65歳を過ぎた。“老齢基礎年金への加算金に関する手続きのお知らせ”の葉書が届いた。支給を受けるためには、「国民年金老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を提出する必要があるとのことだった。年金は、すべて受給者側からの請求手続きが必要である。妻が、葉書に記された必要書類を集めてくれた。28日、年末年始休暇の前だったが、有給休暇をとって、年金事務所に出向くことにした。葉書には、郵送でも良いとあったが、私たちの過去の年金手続きの経験から、直接窓口で、係の人と手続きした方が良いと分かっていた。妻が、電話で年金事務所に問い合わせてくれた。電話で応対した男性職員は、不親切な人だったそうだ。まず予約を取るように言われた。今なら予約が取れるのは、1月下旬だと言われた。妻が「直接事務所に行って、手続きできるか」と尋ねた。男性職員は、「来ていただいても、相当長い時間待つようになります」と言ったそうだ。以前年金事務所に行った時、相当な時間待たされた。
妻はすでに有給休暇をとってしまった。私は、提案した。待っても良いから、朝早く事務所に行って、待てばいいのでそうしようと。半日にくらい待ってもいいと覚悟した。
28日朝、いつものように5時に起きて、朝食をとって、7時前に家を出た。事務所は、車で1時間半くらい離れた所にある。道が空いていたので、事務所には8時前に到着した。駐車場には1台しかとまっていなかった。玄関のドアの前に妻が並んだ。事務所が開くのは、8時30分である。男性職員が言った通りなら、すでに予約の人や私たちと同じく予約なしで来る人が相当数並んでいてもいいはず。でも私たち以外に人はいない。親切な女性職員が中で待つように言ってくれた。
8時30分になった。予約の人どころか誰一人年金事務所に入ってくる人がいない。係の女性が来た。ブースは、たくさんあったが、待合室の隅の書類などを記載する机で、立ったままの応対だった。妻が用意した書類を点検して、私の免許証での本人確認をした。問題なく書類が受理された。9時近かった。まだ誰も事務所に入って来ていなかった。駐車場に行くと十数台とまれるところにあったのは2台だけだった。おそらくうちの車の他の車は、年金事務所の車であろう。
妻の電話に応対した男性職員の応対は、何だったのであろう。年末で仕事納めも近いので、来ようとする人を拒みたかったのか。いずれにせよ、適切な対応でなかったことは、事実である。でも私たちの計画がうまくいって、無事書類が受理されたので由としたい。
いろいろあった年だったが、こうして残るところ、あと3日になった。3年以上にわたるコロナ禍、いつ感染するかの恐怖でウツになったが、命を失うことなく生き抜くことができ、また新年を迎えられそうである。