団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

大本営発表

2022年04月15日 | Weblog

  ロシアのウクライナへの侵攻は、2月24日に始まった。いまだにこの戦争を終わらせることはできていない。国連、NATOEUなど、どの機関や国家も決定的な介入ができていない。世界中が、ただロシアの無謀で野蛮な侵略を傍観するのみである。

 

 今日、4月15日は、北朝鮮の故金日成主席の生誕110年の記念日である。北朝鮮もすでに核保有国である。今回のロシアのウクライナ侵攻は、北朝鮮に大きな影響を与えている。北朝鮮は、今日の記念日に、核実験かミサイルの発射実験を行うと思われている。核を保有していれば、有事において、事を有利に展開できると実証されてしまった。

 

 5月9日には、ロシアの第二次世界大戦の戦勝記念日がやってくる。ウクライナに攻め入ったロシア軍は、この日に戦勝宣言を出す腹積もりで、攻撃を激化させているという。愚の骨頂としか言いようがない。

 

 ウクライナのブチャで虐殺があったとの報道がされたと思えば、ロシアはフェイクだと反論する。13日には、ウクライナがロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」をミサイル攻撃したと発表。ロシアは、ただの火災であると反論。これらのニュースに接していて、私は、第二次大戦中の日本の大本営発表のことを思った。大本営の発表は、欺瞞と独善であった。今回のロシアは、まさに独善と欺瞞そのものだ。愚かさに悲しくなる。

 

 第二次世界大戦中、英国のチャーチルが「A lie gets halfway around the world before the truth has a chance to get its pants on.(私訳:本当の事が、身支度をしようとしているうちに、嘘は世界を一周してしまう)と言ったとか。

 

 現代は、更にSNSなどの発達で、本当の事も嘘も一瞬で世界中に拡散してしまう。正直、どれが本当で、何が嘘なのか見極めが、難しい。こんな不確実な社会に生きているのが嫌になる。

 

 今回のロシアのウクライナへの侵略は、日本にも影響を与えている。参議院議員選挙も近い。各政党の日本の有事に対する見解を知りたい。与党自民党は、防衛力の強化を訴えている。野党は、急にダンマリ。唯一、日本共産党の志位委員長が、自衛隊に関して容認するような発言をした。

 

 私は、いかなる戦争にも反対する。日本が存在感を出せるのは、かつての永世中立国だったスイスのような国になることである。病院船を主軸にした平和部隊を持つ。軍拡競争に加われば、ただ軍事産業を儲けさせるだけである。あちらで戦争があって怪我人や難民が出ていると聞けば、助けに行く。こちらで感染病が発生すれば、駆け付ける。むこうで大災害が発生すれば、いち早く参じて、避難所となる。外国語を話せる最新医学を学んだ医療従事者、世界のどこへでも病院船を動かせる優秀な船員。何より最先端の造船技術と医療器械を活かせる。現在、ウクライナは世界の多くの国々が、支持応援しようとしている。日本も世界に貢献できる平和部隊を持てば、必ずや支持される。野党がなぜこのような展望を発言提言しないのか不思議。国会議員の使い道自由、領収書不必要の月百万円の交通費を、ゴチャゴチャ言いながらうやむやにしてしまう。お手盛りに執心せず、もっと日本の未来を考えるために使ってくれ。

 

 この数日の冬への逆戻りになる前、気温が夏日になったほどいい天気が続いた。家の近くの八重桜が満開になった。崖の上の八重桜と道路の川淵の八重桜の枝が重なり合って、凱旋門のようだった。日本には、凱旋門がない。それで結構。いつの日にか、世界のどこかで貢献できた病院船を主軸した平和部隊が、満開の桜を凱旋門のようにして、帰還する夢をみる。

 


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