ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

2016年の6月23日

2016-06-23 10:57:27 | 日記
                    2016年の6月23日




                偽りの平和よ
                隠ぺいされた
                深い洞穴で
                眠る
                たくさんの犠牲の骨たちが
                声を上げる
                6月23日




                フェンスで
                がんじがらめの
                門中墓の
                琉装の人々よ
                望まなかった
                更地の
                芝生で
                居心地が悪いだろうに
                異国から許可をもらって、捧げられた
                重箱のごちそうはまずいし



                あたりの
                光り輝く
                がんがらがんのきらびやかな金きら金に
                眉を顰めながら
                そのしわだらけの
                顔をそむける



                暑い夏の
                太陽の光のほうが
                懐かしいと
                
                
              

ゆらり蝶

2016-06-23 10:42:53 | 日記

                  ゆらり蝶



               白と黒の模様の
               蝶が
               どこからともなく現れて
               ひとまわり
               地面すれすれに
               その羽をみせて
               どこへいくのか
               飛び去った



               夕方の
               スクランブル交差点
               まだ陽射しがさすから
               麦わら帽子の頭で
               国際通りへ



               異国の繁華街
               お土産屋と食べ物屋
               ごちゃごちゃの胃袋
               そこには
               琉球料理はもう存在しない



               無国籍の呼び鈴で
               生ビールが
               泡立って
               流れている通り



               日暮れの
               青空に白い雲
               蝶が
               ゆらり
               ふつうの暮らしを
               恋しがっている