ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

夕日の海

2016-06-16 18:18:27 | 日記

                   夕日の海



                夕日が
                水平線に落ちていく
                長い長い
                橙色の痕跡を残して
                かすんでいく


                伝え聞いたものは
                その滴り落ちていく
                涙の痕を
                覚えているのだが
                みてきたものたちは
                なおさら
                

                かすみは
                いよいよ深く
                あたりの景色を
                闇が包んでいく


              
                再びの夜明けが
                明るい
                朝になるために
                その
                涙を
                忘れぬように
                と


                夕日の沈んだ
                凪の海
                              
                                               



                

海の創り方

2016-06-13 19:54:01 | 日記


                   海の創り方


              ぽたり
              ぽたり
              の
              雨だれに
              ハスの葉も揺れ


              お地蔵さんは
              半月の目で
              景色を眺め
              そして
              お空のご機嫌をうかがう


              その掌にも
              ぽたり
              ぽたり
              の
              雨だれ
              が落ち


              手のひらの
              水たまりに
              小さな波


              広がり
              手のひらに
              海

          
              
              

泣き叫ぶ道

2016-06-11 09:35:21 | 日記

                 泣き叫ぶ道



             クライ
             クライ




             暗い山道で
             クライ
             クライ
             叫べ


             山道を
             切り裂いても
             癒されない



             クライ
             クライ




             父も母も
             そして
             おばーもおじーも
             未来のBabyたちも
             叫べ


            
             うわべだけの平和を満喫する奴らへ
             クライ
             クライ
             
             暗い暗い道に続く
             この山道を
             気づけと
             叫べ


             クライ
             クライ


             目を覚ませ
             この山道は
             ひとりだけの道ではない
             
             




             

旗は腕の中にーフィリップ・グラス パティ・スミス『THE POET SPEAKS』- 

2016-06-05 22:10:54 | 日記

                  旗は腕の中に



               雲にのって
               北へ
               雲の上は
               光の中
               真っ白に光って
               天上



               朝の光は
               南から北へ



               地上に降り立ったら
               埃だらけで
               ごとごと揺れて
               ごとごとと
               もどかしい


               風に
               背中を押され
               階段を登りきったら
               私の席
               ど真ん中に
               小さく主役が立っている


                  トルコの嘆き
                  パリの涙
                  は
                  予言だったのか
                  圧倒的な言葉の力が
                  舞台中にあふれている 
                  5感を研ぎ澄ませ
                  第6感も
                  目覚める
                  夕刻


               反戦の旗は
               わが沖縄の腕に在り
               

               その舞台に集う者たちは
               満ち足りた太鼓腹
               そこで手を打ち鳴らすならば
               南へ降りて来い
               南の中を北へ向かい
               その囲まれたフェンスを
               見るがいい


               北の
               ゲートに
               立てばいい