ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

ガマの油売り

2013-06-28 19:07:24 | 日記
                       薬売り

                   薄明りの夜更けに
                   うつらうつら
                   

                   閉じた瞼に
                   当然のことながら
                   世界は見えない
                   みないようにしたい

                   しかし
                   だがしかし
                   悪魔の手先は
                   薄ら笑いを浮かべて
                   ちゃくちゃくと
                   入念に
                   毒を
                   少量づつ
                   盛り始めて
                   幾年

                 
                   こんなふうに
                   ものを
                   みないようにみないようにしくまれて
                   ことがすすんでいくのだろうか


                   大きな潮流の中に
                   滝壺に
                   真っ逆さまの
                   不安

                   筏は
                   大きく揺れて
                   揺れている

                   大きな口をあけて
                   満腹の袋に
                   食べ物を
                   詰めて
                   もてあそんでいるものがいる

                   
                   その隙間を縫って
                   餓えた子らに援助の手を
                   と
                   映像が流れる

                   いらだたしさに
                   持っていた
                   茶碗を
                   置いてしまうのだ

                   モノを腹いっぱい食べては
                   エネルギー燃焼サプリメントを
                   飲んでいる
                   
                   ジャムを
                   スプーンにひとさじ

                   メタボリック症候群予防の
                   キャンペーンを
                   して

                   金を受け取る
                   商売

                   ガマの油売り
                   
                 
                  

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