ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

あんちゃんのふゆ

2017-01-10 21:22:46 | 日記



                あんちゃんのふゆ



             冬の朝
             文字が消えてしまった
             言葉が消えてしまった
             頭の中の回路があちこち途切れて

             象形文字にもならず
             ずらーずらーと
             縦に流れて消えていくんだ
             

             血ににじんで
             溶けて消えてしまった
             言葉にも
             文字にもならない
             つらつらら


             溶けて
             滴り落ちていく


             あんちゃんは
             ロマンと欲望の中に
             体を横たえて
             暗闇の中をさまよい
             深い谷底に一人
             取り残されて
             知らない言葉の中でおぼれている



             あんちゃんの頭の中に
             大きな大陸の砂漠がぼうぼうと
             うねっては
             押し寄せて
             

             めんどくさい
             あくびをして
             ただただ
             ロマンだと思い込み
             めんどうを
             自ら背負い


             生きている
             はかなさを
             どうしようもなく
             地団太を踏んで
             

             むせびないている
             
             
             びゅうびゅうと    

                          

            
             

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