ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

あんちゃんのふゆ  その2

2017-01-15 21:17:09 | 日記

                     あんちゃんのふゆ  その2




                 すすみすぎた時計が
                 いつのまにか遅れ
                 5分遅れ
                 15分
                 遅れ
                 すでに3時間も遅れ
                 過去へ
                 過去へ戻っていく



                 みんなで
                 食卓を囲んだ
                 貧しい
                 文房具屋の
                 小さな土間

   
                 野生のバラの花の垣根
                 匂う



                 丸坊主の頭が
                 同じ雑誌を眺めていた
                 古い記憶が
                 遅れてやってきた冬の風に乗って
                 あられの音の屋根の下で
                 渦巻いている



                 抱きしめた古い雑誌が捨てられず
                 ぼろぼろに
                 朽ちているのに
                 少年は少年のままに
                 


                 遅れた時計を
                 見つめ続けている
                 

                 
                 

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