ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

ひゅーとさむいかぜがふく

2017-08-20 22:02:02 | 日記

                    ひゅーとさむいかぜがふく



               浦島花子は
               あたりを見回しました
               


               子供の大人が
               周りにたくさんいて
               何やら
               あれをしてこれをして
               どうしてうまくできないのですか
               と
               指示をしているのです




               えっ!
               背中を丸めて
               動きが
               ゆっくりとして
               足がもつれるのでした



               やさしいとげが
               飛び交って
               突き刺さるのでした
               笑っていない眼の奥
               と
               その口元の美しい作り笑いに
               ぎょっとしたのでした


            
               昭和の感覚とは違う
               といわれても
               平成の感覚って、なに?
               育ってきた時代の空気を吸い込んだ
               肺の形とその中身が違うというのか



               ただ
               同じ
               ひゅうーまんびーいんぐ
               ではないのか


               
               あなたと私がこの同じ時間を
               同じ場所ですごしているという
               奇跡


            
               急に
               寂しげな
               ほほえみを浮かべた老人の顔を思い出した
                


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