ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

新・ろーりんぐ・りとる すとん

2013-04-06 14:27:22 | 日記
                      洞穴の中から


                     ちりぢりにちぎれた
                     ノートを
                     抱えて
                     ちびた鉛筆で
                     書き足した絵は

                     ここに
                     わたしはあるよ
                     と
                     叫ぶための
                     ふるえている
                     くちびる

                     耳は
                     もうふさぐまい
                     聴覚が捉える声
                     眼鏡の奥の
                     視覚
                     目に触れる景色
                     を取りだして

                     いきている
                     偶然の
                     喜びと哀しみと
                     
                     ちびた鉛筆の
                     細くとがった芯の先っぽで
                     ひっかくだけでも

                     なにかが
                     ここにあるのではないか

                     おおきなそらに
                     向かう叫び

                     道の小石を
                     ころがしてみる
            

                     
                    

おさななじみ

2013-04-06 10:47:03 | 日記

                        同窓会


                       小学生の時の姿が
                       話しているうちに
                       その横顔に
                       立ち上り

                       白髪交じりの
                       役所務めの
                       組織のがんじがらめに
                       耐えきった
                       その姿に
                       
                       いぶし銀の
                       風貌
                       
                       いろいろは
                       ここにも

                       がんじがらめに
                       耐えきることができず
                       わたしは放浪
                       
                       「おまえよー
                        えらくなりたくなかったのかー
                        らいばるで
                        おまえを
                        りべんじしてまかしたかった      
                        おれは・・・」 
                       と

                       白髪交じりの
                       小学生の
                       横顔は
                       あのころのままで
                       めんくらったさ

                       大人になってしまった
                       自分を
                       小学生の
                       きみが
                       確認している

                       遠くたどってきた
                       道の途中で
                       偶然に
                       あった
                       かつての
                       らいばるの
                       わがままな放浪の姿に
                       自分が歩いてきた道を
                       確かめている

                       屈託のなかった
                       あのころに少しばかり
                       もどり                                             

                       道の途中の
                       小川を掬い取り
                       口にし
                       潤しただろうか

                       煙草と酒に
                       濁ってしまった
                       みずうみを