WBC世界フライ級チャンピオンの内藤大助選手の防衛戦で違反行為を繰り返した亀田大毅選手とセコンドの父:史郎氏と兄:興毅氏らの処分が一段落しましたね。
やれやれ・・・
私は、もともと流血が嫌いで格闘技は好きではなかったのですが、最近は、総合格闘技やボクシングも見るようになりました(プロレスはいまだに苦手です)。
内藤選手と大毅選手の対戦は、大毅選手の「負けたら切腹する宣言」から、どんな見ごたえのある試合になるのかと思い、興味深くテレビで観戦しました。
ラウンドが進むにつれて、有効なポイントが得られない焦りから、あれよあれよとルール違反行為(レスリング行為)が積み重ねられ減点が課されてしまい、結局、無残な敗戦を喫してしまった大毅選手でした。
それにしても、内藤選手の終始、冷静で常識的な態度は、多くの人々から賞賛されましたね。最近は相撲界での不祥事が続いていただけに、スムーズとは言えないまでも、問題が解決方向に向かったのはよかったです。
違反行為については、抗議するのではなく、調査を申し入れる、制裁よりも、本人からの謝罪を求めたことなど、大人としての対応というより、やはり世界チャンピオンの「品格」を感じます。
結局、亀田家には致命的な処分が多々下りそうなのですが、当の内藤選手は直接、謝罪に来た大毅選手を、謝ったのだから良いと許し、彼の素質を称え、またリングに上がる道を断たないような配慮のある言葉で今回の騒動を自分なりに締めくくっていました。
大毅選手が、闘志の表し方を間違え、自分の感情を制御しきれず、リング上のルールを守らなかったことや、家族のボクシングの流儀が、世界の舞台(世界戦に限らず)で戦うには通用せず、ここまで社会的に大きな批判の目に晒されるなんて、亀田家も予想しなかったかもしれません。
大毅選手は若い・・・・
自分を振り返っても、若い時は間違えることが多く、失敗をし、恥ずかしい思いや落ち込みを経験しながら、成長していくものではないでしょうか?
レスリング行為や負傷箇所を狙えば、相手選手に取り返しのつかない怪我をさせて、選手生命を危うくする可能性もあるわけですが、選手はこの日のために、万全のコンディションを作り試合に臨んでいるわけですし、誰もが公平なルールの下、勝利を目指す権利があるわけですからネ。
世論の昂りや制裁ではなく、同じボクシングで自己実現を目指す先輩ボクサーの内藤選手が、自分の戦いの聖域がクリーンでフェアなフィールドであってほしいというメッセージを、まだまだやんちゃ坊主の大毅選手に寛大な心で伝えた一連の行動が私にはとても心地よかったです。
内藤選手は、私と同じ世代なのだと思います。
私たちの世代が、まだまだ間違いを冒してしまう可能性のある、若い世代とのつながりを安易に絶ってしまったら終わりだと思います。
制裁や法や規則による処分は、人と人の本来あるべきコミュニケーションが絶たれた時の手段だと思います。
亀田家側の謝罪は残念ながら、少々遅かったですよ・・・・
謝罪のタイミングを誤ると取り返しのつかないことになる。
何に対して謝罪しなければならないかがわかればそのことに対してだけでも先に謝れたのではないかと思います。
亀田家側には、誤解されていたことも、いいたいことが上手く伝えられていないこともあったかもしれませんが、日頃から信頼関係が築けている支援者がいなかったのもイタイ点だったのかもしれません。
今回の騒動で、様々な意見が出ていますが、和田アキ子さんが、父以外の指導者についた方がいいと言っていたのが印象的です。
父の価値観に、兄弟皆が合わせることができれば、家族の結束は非常に強いものになると思うのですが、他の価値観を認めない環境や、業界の掟破りの家族の論理では、世界王者を目指すには、あまりにも狭すぎるのかもしれません。
試合中、大毅選手は内藤選手のパンチにひるむことはなく、闘う強さはテレビ観戦で私なりには感じて、スゴイなぁとも感じていました。
内藤選手が次回防衛する日も楽しみですが、時が流れ、いつか先輩の内藤選手の後を追って、大毅選手が品格のある世界チャンピオンになる日がくるといいですね。
大毅選手のファイトマネーは内藤選手のファイトマネーの10倍で1億円だったそうです。次回の大毅選手の試合は、エンターテイメントとしてよりも、フェアプレイの後、戦いを両者が労いあえるそんな姿が映し出されることを願っています。
これからリングに上がれない1年間を大毅選手が、腐ることなく、有意義に過ごすことを、私もひとりの大人として望んでいます。
せっかくのこれまでの努力と才能を台無しにしないように頑張ってほしいものです。
賛否両論あれど・・・
↓