映画的・絵画的・音楽的

映画を見た後にネタバレOKで映画を、展覧会を見たら絵画を、など様々のことについて気楽に話しましょう。

落下の王国

2008年10月12日 | 08年映画
 『落下の王国』をシネスイッチ銀座で見ました。

 確かに、画面に映し出される映像がすごくきれいなことは認めますが、今となっては、TVのハイビジョン映像でこうしたきれいな画像はふんだんに見ることができますから(たとえば、世界遺産特集など)、それほど驚かなくなっているのではないでしょうか?

 そこでストーリーの方になるのですが、この映画では、ファンタジーの世界が、はじめからお話、あるいは絵本の世界とわかってしまっています。
 他方、似たように少女が中心的な役割を演じるファンタジー映画『パンズ・ラビリンス』では、むしろスペイン戦争の最中という現実のなかで少女がファンタジーの世界に入ったり出たりします。
 すなわち、『落下の世界』では、ファンタジーの世界は現実の場所(タージマハールなど)を背景にして描かれますが、もう一方の『パンズ・ラビリンス』ではすべてCGで描かれるわけです。

 また、本作は、少女とスタントマンとの交流がメインのお話で、もう一つは戦争の真っただ中での継父との争いが中心的というように、描かれる現実世界の重みもかなり違っています。

 ただ、こうして両者を比べてみたりすると、勿論『パンス・ラビリンス』は良かったのですが、この映画も捨てたものではないのでは、と思えてきます。特に、この映画の少女を演じたカティンカ・アンタルーは、『パンス・ラビリンス』のイヴァナ・バケロと比べたら月とスッポンながら、逆にそこが良くて、印象に残るのはむしろこちらの方なのではないかと思いました。



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