映画的・絵画的・音楽的

映画を見た後にネタバレOKで映画を、展覧会を見たら絵画を、など様々のことについて気楽に話しましょう。

男と女の不都合な真実

2009年10月03日 | 洋画(09年)
 新宿武蔵野館で「男と女の不都合な真実」を見てきました。

 この映画は、美人で男勝りだが恋愛下手の女(アビー:TVプロデューサー)と、ワイルドでマッチョ系の男(マイク:TVパーソナリティ)が、喧嘩を繰り返しながらも結局は結ばれるという実に古典的なラブ・コメディであり、実際に見てその場で笑ってそれでオシマイということで十分だと思いました。
 “つぶあんこ”氏も、論評抜きの★二つです。

 ですが、「映画ジャッジ」の評論家諸氏は、こんな単純そのものの映画に群がってそれぞれ長々とした論評を書いているのです。まあ、こうした古典的な映画の方が、安心して論評できるからなのでしょうか?

 渡まち子氏は、いつもの3倍くらいの長さの論評で、評点も65点と甘目です(「プール」に関しては、今回の半分の長さで評点も30点だったのに!)。
ただ、「終わってみればオーソドックスな恋愛映画に納まった。とはいえ、毒を仕込んだラストは見逃せない」と述べているところ、アノ程度のラストシーンに「毒」があるとは、いやはやご大層なことです!

 山口拓朗氏は、「筋は、おおむね観客の想像のつくところ。予想できる恋愛ドラマなど見ていておもしろくない、と思う人もいるかもしれないが、本作は、展開や結末よりも、結末に至るまでの"中身"が爆発的におもしろいのだ」として70点を与えています。ただ、女主人公の「食事中のバイブ・パンティ事件や、番組内における教祖然としたマイクの大演説」などが「爆発的におもしろい」といわれても、といった感じです。

 佐々木貴之氏はモット甘く75点で、アビーが「TV番組プロデューサーということでその仕事ぶりや生放送番組の舞台裏が垣間見ることができ」るのは「興味深いポイントだ」などというメリットまで数えたてて(こうした映画で勉強までできるとは!)、さらに「成人男性はハラハラドキドキしながらもニヤニヤ笑って存分に楽しむべきだ」とのご託宣を述べていますが、いったいこの映画のどんなシーンを「ハラハラドキドキ」したと言うのでしょう!

 服部弘一郎氏も70点ですが、「この映画の弱点はアビーの王子様であるコリン(医者)にいまひとつ魅力が欠けていること。どのみち最後は主人公たちが結ばれると誰もが予想する映画ではあるけれど、それにしたって三角関係をもう少し盛り上げて「あるいは?」「ひょっとすると?」と観客を多少はハラハラドキドキさせてもらいたいのだ」と述べているところからすると、少なくとも服部氏はこの映画を見て「ハラハラドキドキ」しなかったようです!

 こうした似たり寄ったりの論評で触れられている点を除いて言うとしたら次の2点くらいでしょうか。

a.映画の原題は「the ugly truth」ながら、ゴア元副大統領の「不都合な真実(An Inconvenient Truth)」 に引っ掛けて邦題を作成した人のセンスには脱帽です(映画のタイトルとしては、チョット長目ですが)。

b.同じカリフォルニア州ながら、話の中心的な舞台である地方都市サクラメントと、ロサンジェルスとは雰囲気がまるで違うようです。前者はかなり落ち着いていて浮ついたところがないのに対し、後者は南国の騒がしい大都会です。そして、前者から後者に移動すると主人公たちは開放的になって、それぞれ自分の真の気持ちを自覚できるように映画では描かれています。ラスト近くでは、さらに気球に乗って空中に移動しますが、そこでアビーとマイクはお互いの愛を確認します。話の局面の展開にとって、こうした「移動」が大きな役割を果たすように映画が作成されているように思われました。


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2 コメント

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Unknown (名菜氏)
2009-12-12 03:12:33
つぶあんこ氏のファンのようで

パクリさんなので参考にしないほうがいいですよ

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お礼 (クマネズミ)
2009-12-12 05:30:47
 「名菜氏」さん、ご忠告ありがとうございます。
 レビュー記事がしっかり書かれていたときは大変面白かったのですが、このところは★とか短評しか記載されず、それでも昔のよしみからアクセスだけはしているところです。
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